外伝〜メンフィル・エレボニア戦争の和解調印式〜 第3話
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜グランセル城・会議室〜
「まず序列一位にして”正妻”であるエリゼだが……先程説明したようにシュバルツァー家は”公爵家”に昇格する事が内定している。よってエリゼはクロイツェン州を治める公爵家の令嬢にして彼女自身女男爵の爵位を持つ者だ。和解したとはいえ、戦争の結果で考えれば”敗戦国”にして戦争勃発の原因の一端を担う皇女と比べればメンフィルとしては”どちらの血筋の価値”が上なのか明白であろう?」
「グッ……そ、それは………」
「……………」
不敵な笑みを浮かべたシルヴァンに問い返されたダヴィル大使は唸り声を上げた後言葉を濁し、アルフィン皇女は辛そうな表情で黙り込んでいた。
「次に序列二位であるセレーネ嬢。セレーネ嬢は”ルクセンベール伯爵家”の当主の妹にして”アルフヘイム子爵家”の当主であり、また竜族の姫君でもある。」
「な――――竜族の姫君ですと!?」
「竜族と言えば、2年前の”リベールの異変”が起こる少し前に起こった”竜事件”で遥か昔からリベールに存在していた竜が現れたとの事ですが……」
シルヴァンの説明を聞いたカラント大司教は一瞬絶句した後驚きの声を上げ、エルナンは考え込みながら答えた。
「セレーネ嬢はその竜とは無関係の存在です。」
「ツーヤ、セレーネ姉妹はこのゼムリア大陸や我等の世界であるディル・リフィーナとは異なる世界から迷い込んできたらしくてな。二人の話によると二人の世界では二人共”アルフヘイム”という名の国の王位継承権を持つ皇女だったとの事だ。確かその話は父上やリフィア達と共に”影の国”事件を解決したクローディア姫やユリア准佐も知らされていたな?」
「”影の国”事件………”異変”の半年後にクローディア達が巻き込まれたあの事件ですか………クローディア、ユリア准佐。先程のシルヴァン陛下の話は本当なのですか?」
セシリアに続くように答えたシルヴァンの説明を聞いたアリシア女王はかつての出来事を思い出した後クローディア姫とユリア准佐に確認した。
「は、はい。”影の国”には私やユリアさんを含めたそれぞれの過去の出来事を見る事ができる”扉”がありまして。その”扉”の中にルクセンベール卿の”扉”もあり、その”扉”の内容はルクセンベール卿の過去であるアルフヘイム王家の王女として過ごしていた頃だったとの事です。」
「殿下の仰る通りです。”影の国”の”扉”には私の最近の出来事である過去もあり、その内容は一つも間違いはございませんでした。」
「王太女殿下達同様”影の国”事件に巻き込まれたケビン神父やシスターリースから”影の国”や”影の国”の”扉”の件についても報告されています。よって、シルヴァン陛下達の仰っている事に偽りがない事は七耀教会が保証致します。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ