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その日はいつかやって来る
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 出る杭は打たれる。 近隣の12部族を恭順させた我々は、この周辺の最大派閥から挟撃を受けた。 すでに3方から包囲され、境界に兵が集結しようとしている。 一つを打ち破ったとしても、同時になだれ込まれれば、我々の小さな陣営は終わりだ。

「すぐに召集をかけて可能な限りの兵を集めろっ! 女子供でも構わんっ、どうせ占領されれば略奪と殺戮だっ」 
「兵糧を集めるのも面倒だ、それに魔界で使える金は持って無い」
「そんな物はこちらで用意するっ、兵員は貸せないが、軍資金や兵糧なら貸し出せるっ、一刻を争う事態なんだぞっ!」

 そこまで言っても、のんびり寝ているこいつ。 どうするつもりだ? 一人で戦うのか? 神無とパピリオを連れて行けば、本陣まで辿り着いて、敵将は討てるだろう。 しかし、その間に他の2軍団に進入されれば終わりだ。 自分の領民も守れない領主に、今後誰も付いて来はしない。

「相手の兵隊は? どうせゾンビとか、スケルトンのガラクタだろ?」
「消耗品の先陣はそうだろう、だが魔法生物や兵鬼も来る。 あれだけの集団だ、パピリオのような一騎当千の兵もいる」
「じゃあ、こっちも魔法生物は使っていいんだな(ニヤリ)」
「うっ…」

 とうとう使うつもりか? しかし、あれは条約違反だ。 あのアンドロイド達や、逆天号を使えば相手の大半は死ぬだろう。 その後は、相手の部族や傭兵、一族全てを殺さなければ永く遺恨が残る。

「隊長、何人か兵隊連れて、国境の防御だけして貰えませんか? 越境して来たザコだけ潰してくれればいいですから」
「ええ、私だけでいいの?」

 いつの間に現れたのだ? 相変わらず心臓に悪い出現の仕方をする奴らだ。

「おふくろなんか出すと、熱くなって逆に攻めて行きますからね。 神無、向こうの防御を頼む、10体も連れて行ったら大丈夫だろう」
「分かった」
「本隊には俺が行く、付いて行きたい奴はいるか?」

 ベスパとパピリオが手を上げて、部族の族長や、その息子達も剣を掲げている。 それを見て薄ら笑いを浮かべるあいつ、ようやくやる気になったか。

「先に行って待っていろ、早く行かないと追い越して全滅させちまうぞ」
「「分かった(でちゅ)」」
「小鳩ちゃん、先に言って、ちょっと「見て」来てくれるか?」
「はい、横島さんっ」

 また突然現れたコバト、転移とか瞬間移動と言ったレベルではない。 こいつが願いさえすれば、湧いて出て来るんじゃないだろうな?
 雲に乗って飛び立つパピリオと、便乗して行くベスパ。 他の者もカオスフライヤーに分乗して移動して行く。 コバトの姿は既に見えない、ここの防衛隊は? 必要無いんだろうな。

「朧、シルク、高台に上って笛を吹いてくれ、それとカオスのおっさんの弓を貸してくれるか?
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