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その日はいつかやって来る
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! ハヌマンより授かった、このパオペイと術を恐れぬのならかかって来るでちゅ!!』

 あいつにしては、まともな名乗りだ。 しかし、斉天大聖とは大きく出たな、挨拶代わりの砲撃やマジックミサイルが飛んで来て、それを上空からベスパ達で潰して行く。 こちらは真っ当な戦いをしているな、もうすぐ常識外れな奴らが行くが。
 相手側の空を飛べる者は、パピリオに挑もうと出て来たが、あの雲と棒に適うはずも無く、簡単に倒されて行く。 やがて、パピリオとカオスフライヤーで制空権を取り戻した頃、あいつが到着した。

『よう、やるじゃないかパピリオ。 向こうにはお前みたいな奴、一人もいなかったのか?』
『飛べない奴が、まだ地上で唸ってまちゅよ』
『そうか、今日はお前一人でやってみろ、殺すなよ、お前の手下にしてやれ』
『うんっ!』

 今日は「斉天大聖パピリオ」の名を売るための戦いか。 アシュタロスの三姉妹と言えば、こちらでも多少は知られているが、当時から生きている下級魔族は余りいない。 ここでもし、ただ一人で敵を打ち破ったとなれば、「厄介払いされたまま、神族や人間と千年も乳繰り合っていた」などと言う悪評からも開放されるだろう。

『さあっ! 空も飛べないウジ虫どもっ! かかって来なちゃいっ!』

 こちらは全てコバトが見ているようだ。 群がってくる敵を物ともせず、パピリオと同じ速さで飛び、走っている。 従軍記者としては申し分無い、私やジーク、残った者達が見ている、名前だけの「司令部」にとっては勿体無い。

『ウォオオオオン!』
『ガアアアッ!』

 向かって来る大きな兵達に合わせ、またパピリオが巨大化して行く。 標的としての命中率は上がったが、天界の軍が、先代の斉天大聖を仕留められなかった理由がよく分かった。
 パピリオの大きさは、魔力障壁の大きさだ、通常兵器は何も通じない。 止められるとすれば、あいつの時と同じように、障壁同士をぶつけ合い、中心に衝撃を伝えるか、観世音菩薩のように、巨大な力で握り潰すしか無い。

『カアアアッ!!』

 無人の野を行くように、敵陣を突っ切り、逃げ惑う兵を蹴散らして行くパピリオ。 すでに勝敗は決した。 相手が無様に降伏する決断をする前に、死なせてやると良い、捕虜に取っても、そいつらに使い道は無い。

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