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」
「うん」
「どうぞ叔父様」
笛… シルクと朧はネクロマンサーの笛を持っていたな。 しかし、ここから国境まで笛の音が届くはずが無い、もちろん弓矢も。
「逆天号、俺の目になれ」
『了解』
どこから答えているのか、既に逆天号も起動している、いざとなれば断末魔砲がものを言うだろう。 これで負けはしないが、相手が納得するだろうか?
「ワルキューレ、この辺りの奴は防空壕に避難させろ、耳を塞いで誰も外に出させるな、出たら死ぬからな」
「わ、分かった…」
届くのか? 笛の音が届いて、相手の術者より強力なら、死霊の部隊は全滅だ。 私も指揮車両であるカオスフライヤーの中に入り、状況を見ていると、高台に上った3人が準備を始め、天女の羽衣を着た二人が笛を構えた。
ピリリリリッ! ピーーーーーー!!
フオオオオッ! フォーーーン!!
「ぐわああっ!」
装甲と障壁のあるカオスフライヤーの中にいてさえ、苦痛でしかない音の2重奏。 断末魔砲のような嫌な音では無かったが、私は激しい痛みを感じて耳を塞いだ。 弱い者なら、これだけで浄化されてしまう。
やがて羽衣がアンテナのように開いて、音に指向性を持たせて行く。 シルクが第3軍、朧が第2軍に向かっている。 こいつらにも相手が見えているのか?
「逆天号、視覚同調、バードアイモード。 向こうの大将はどこにいる?」
『霊力判定、最大級の物はこの位置に集中しています。 ここが第3軍の本陣です、意識はこの人物に集中、これは以前、後継者争いに負けた者達です』
「そうか、今度こそ死なせてやろう。 弾着の瞬間だけ敵陣の魔力障壁にアクセス、自分で張った障壁の中で、どうやって死んだのも分からないうちに綺麗に消してやる」
『了解、射撃誘導は必要でしょうか?』
「いらん」
音波で視界が歪む中で、あいつがカオスの魔弓を引き絞り、恐ろしい力でマジックミサイルを作り上げて行く。 以前シルクが放った矢とは桁違いだ、これなら確かに敵の本陣ごと消せる。
「ぐううっ! はあっ!」
ドムッ!!
すぐに雲の向こうに消えて行くマジックミサイル。 これがあるなら、断末魔砲も必要無い。
『3,2,1、アクセス! 敵第3軍本陣、消滅しました』
「よし。 神無、そっちはどうだ、笛の音は届いたか?」
『来た、雑兵は粉々になっている。 混乱して越境しようとした魔法生物は、私の矢で仕留めているが、生身の兵と指揮官はどうする? 切り込むか』
「放っておけ、もうすぐ逃げる」
指揮車両の中で、あいつらの会話が聞こえ、神無と隊長、コバトの視点で敵軍が見える。 この力の差、この戦いは無意味だ。こいつらの宣伝になるだけだ。
『さあっ、国境を越える覚悟がある子はいらっしゃい。
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