第24話<ぜかまし>
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「ぜかまし?」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
第24話 <ぜかまし>(改2)
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軍用車の走る音が向こうから近づいてくる。
「日向?」
嫌な予感が……と思ったらズドンという大きな地響きがした。
「敵の地上部隊か!」
続けて何かの発射音が響く。直ぐにキューンという高い滑空音。
「わぁ、砲弾っぽい?」
さすが夕立、戦場の音には敏感だな。
直後にズシーン、ビリビリという弾が地面に着弾した音。同時に、やや遠くからパリパリ、タタタンという機銃の音も聞こえて来た。
「逃げているのは日向か?」
「でも日向なら、きっと大丈夫っぽい」
普段は天然でも、実際の戦場を知っている夕立の言葉は重いな。
「あいつのことだ……回避能力を生かして、地上でもうまく逃げろ!」
日向が事前に分析した通り敵も地上部隊を投入している……それも単独ではないな。
私は、ふと気になった。
「日向は何やってんだ?」
「え? 一生懸命逃げているよ」
夕立が弁解する。
「違う……私たちの軍用車を隠すのに、そんな時間は要らないだろう?」
私は苦笑した。
「そういえば……」
さすがに夕立も気付いたか。
「何を手こずって岸壁をウロウロしているんだ」
私は心配になってきた。
「確かに日向らしくないっぽい……」
ドーンという発射音がし、そのたびに着弾の地響きがする。
「鎮守府の撤退部隊が岸壁に到着するまでは、まだ時間がある」
「日向、大丈夫かな」
夕立も心配している。
ちょうどその時、軍用車が私たちのいる路地の前を通り抜けた。
一瞬だけチラッと日向の横顔が見えた。
「あいつ意図的に岸壁で動いているのか?」
私は何か作為的なものを感じた。
「えぇ?」
「日向も割りと策略的な作戦が得意だからな。何か考えがあるのだろう」
そのとき夕立が何かを受信した。
「司令、さっきから緊急通信っぽい。断続的に……えっと、ぜか……まし?」
「なに? ぜかまし?」
彼女は耳を澄ます。
「同じ言葉を定期的に繰り返してるっぽい」
「ん、どこかで聞いたことがあるぞ。何かの暗号か?」
私は天を仰いだ。
すぐに悟った。
「島風か!」
……なるほど敵に無線傍受されても問題ない言葉を使ってるのか。
「敵を欺いて意図的に私たちに何かを伝えようとしているのか?」
「島風ちゃんで何を?」
夕立も少々困惑している。
あのウサギちゃんが、どうしたというのか?
「島風、島風……わからん」
そのとき岸壁の端の方へ走り去った
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