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その日はいつかやって来る
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に睨み合っている二人。 神無をからかうのが朧の趣味らしい。 命懸けだな…

「遠慮しとく、誰も見えないしね」

 朧も同じか、それではこの二人が戦ったとしても、見えるのはあいつかシルクだけだろう。

「じゃあ、私の笛なんかどうですか? こう見えても結構うまいんですよ」

「それは、ネクロマンサーの笛じゃないのか?」
「はい、そうです、よくご存知ですね、では軽く一曲」
「だめだっ! 吹けば死人が出るっ、ここは魔界なんだぞっ!」

 笛を吹こうとしたシルクから、何とか奪い取ったが、あいつはニヤニヤしながら見ていた。 私が間に合わなかったら止めるつもりでいたな? そうだな、折角自分の配下になった部族が、転げ回って苦しんだり、浄化されるのは嫌だろうからなっ!

「そうだったんですか? 知りませんでした、すみません…」

 悪意が無いだけに余計たちが悪い。 こいつの力は分からないが、神無のように常識外れなのは間違いないだろう。 城塞には防御用のスケルトンやゾンビもいるから、それも成仏していたかも知れない、この中の弱い者も同じだ。

「今後、戦闘時以外、笛の使用は禁止するっ! しかし、昔より大きくないか? それにこの形は何だ?」

 先の方に、こぶと刺の付いた長く重い笛、てっきり護身用のメイス(棍棒)だと思っていたが、こんな危ない装備を… こいつは高級装備の塊だから、他の持ち物も調べておかないと、大変な事になる。

「それはカオスのおっさんと作った「霊体撃滅用」の笛だ、神族でも倒せるから、もし吹いてたら大惨事だったな」
「ええっ! これって幽霊さんを成仏させるための笛だとばっかり思ってました」
「私も持ってるわよ、吹いてい「やめろと言っているだろうがっ!」い?」

 背中の袋から、シルクの物と似たような笛を出そうとした朧。 速攻で神無に奪われたが、この二人はこれが普通なのだろう。 生真面目で怒りっぽい神無をからかい、追い掛けられても、刀で切り付けられても、鉄扇や笛だけで、互角に渡り合えるのかも知れない。

「魔神様、これは一族の若い娘達でございます。 皆、先程の戦いを見て感激し、是非お種を頂戴したいと申しております。 お情けを賜りますよう、伏してお願い申し上げます」

 宴の途中、女の長と思われる老婆が近くに寄って来て、顔を赤らめて遠巻きに見ている娘達を紹介した。

「ここの女達は全てお前の物だ、その… 抱きたい者がいれば呼び出して、孕ませてやればいい事になっている。 見てみろ、さっきの戦いと血を見て、発情した娘達がお前を狙っている。 ここでも「種付け」をして行かないと、「部族の中に美しい女は誰もいなかった」と侮辱した事になる。 これから何日か逗留して、希望者は皆、子供を産ませてやれ」

 不本意だが仕
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