暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
16
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 パピリオに蹴り出され、よろけながら2,3歩進む案内役。 この時点でこいつらを無理矢理自白させる訳にはいかなくなった。 喋っても良いのは部族と自分の名だけだ。

「罠か、シルクと朧を置いて行っても危ないな、逆天号で行くか」
「それも駄目だ、先方もあれだけの兵鬼を持っている場合は良いが、無い場合は相手を力で捻じ伏せた事になる。 それでは誰も恭順しない… ジーク、我々は早速挑戦を受けた、これから直ちに討伐に向かう、中央に報告し、移動と野営の準備を」
「はいっ、姉上」

 私と同じく、何も出来なかったジークだが、せめて食料や移動車両は情報部から提供しよう。

「じゃあ、カオスフライヤーならいいか? 魔力障壁のあるキャンピングカーもあるし」
「どの程度の兵器だ? お前やカオスの作る物は桁が違い過ぎる」
「武装は無い、空を飛ぶのと、装甲だけだ。 断末魔砲クラスの砲撃でも、1回なら生き残れる」

 ほぼ反則に近いが、武装が無いのなら構わないだろう。 これだけの挑戦状を送った相手だ、人質を取って名を落とすようなタイプは余りいないはずだ。
 ここで下らない罠を使ったり、人質を取る方法もあるが、今後もそう言う評価を受けたい者に限られる。 まあ、中にはベスパのように名乗りを上げて、一人で来るバカもいるが、大抵の者は正面から戦いを挑んで来る。 防衛陣地を構築して、集められるだけの兵器を並べて。

 途中、何度か武装勢力の襲撃を受けた私達。 もし後継者に指定された相手に不服があるなら、今攻め込んで最後の戦いの前に倒さなければならない。
 案内役に続いて歩いたのは、あいつの他、パピリオとベスパだけ。 神無は「このような箱の中で、攻撃だけ受けるのは嫌だ」と言って、上空を飛んで監視していたが、相手側にあれほどの者はいない。 作法には反するだろうが、手出しは禁止されていたので問題あるまい。

 だが所詮相手は小規模な部族、装甲車両すら持っていなかったようだ。 先程から小型の火器の攻撃しか受けていない。 やがて我々は、襲撃を物ともせず、部族の城塞に辿り着いた。

「ここからは徒歩だ、装甲車両で乗り付けて、護衛に守られて入るような臆病者は歓迎されない」
「そうか、ちょっと行ってくる、中で見ててくれ」
「嫌だ、私も行く」

 また神無が同行したがっているが、こいつの場合、魔法生物になるのだろうか? それとも魂のみでサイボーグとして分類していいのか分からないが、妻だと「言い張る」のなら構わないだろう。

「作法の説明をする者も一名同行させろ、私かジーク、ベスパでもいい」
「じゃあ、腐れ縁でワルキューレに付き合って貰おう、他に出たい奴はいるか?」

 既に半泣きになっている朧と、それをなだめているシルクも手を上げた。 戦闘になる度こうなるのか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ