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その日はいつかやって来る
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オラを産ませようとした女は、令子みたいに消されたからな。 神族の小竜姫だったらどうなるかと思って何人か生ませたたけど、ルシオラは産まれなかった。 神族やパピリオには無理なんだろうな」

「私より多いじゃないかっ!」

「私に交代してからも、そんなに産んでない〜〜っ」

 その後、ルシオラの誕生を阻止しようとした者達も、次第に安心し、予言は間違いか、遥か未来の事だと思い始めていた。 終末の魔女を産み出すのが私だと知るのは、これよりまだ先の事。

「あれっ? どうして覚えてないでちゅか? あたちも何人も産んだはずなのに、どうちて?」

「パ〜ピ〜リ〜オ〜、お前もか?」

 また銃を抜いてパピリオに向けてしまった私。 今の実力では適わないが、「お約束」はできるようになっていた。

「パピリオと小竜姫は、別れ際に今の俺が割り込んで、全部記憶を消してから出て行った。 そうしないと、いつ消されるか分からなかったし、人間とのハーフも孫も、200年と経たないで死んだ、辛いだけだから思い出さなくていい」

 子供や孫とも死に別れたこいつ。 これが地球を離れた理由。 メトセラとは、人間として死ねないとは、時に苦しいものだ。 下級魔族でも、寿命を短く設定されている者以外は、人間との交配を避けるようになっている。 愚かな人間と交わる者も少ないが、何より、こうなる事が分かっているからだ。

「じゃあ三蔵様、孫悟空も入った所で、ありがたい御経でも貰いに行きますか? サタン様の所まで」

「誰が三蔵だっ、そんな任務じゃない、我々の任務は後ほど発令される。 さっさとアクセスポイントに入れっ」

「そうか、人間界ともお別れだな。 最後にこう言ってから行くんだったかな? 覚えてろよっ、また帰って来て暴れてやるからなっ!」

 こうして… よ〜〜〜〜〜やく魔界へと旅立つ事が出来た私達。 この大きな事件は記録から完全に抹消されたが、私の心の傷として残る出来事だった。

 化け物のようなアンドロイド達と、二人の元月神族とシルク。 こいつを中心とする特異な空間が、このような大事件を引き起こすのだろう。

 これからの私の任務は、こいつの監視と教育になるが、そろそろ許してくれ。 今後は胃に穴が空くような事態が二度と起こらない事を期待する。
 穴を開けるなら違う場所を… いや、何でも無い、レポート終了。

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