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ソードアート・オンライン【Record of Swordmaster】
003:トルバーナにて
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茅場に責任があるだろ?責任転嫁も甚だしい。…………他人の命なんて重いものを背負えるのは、正義の味方かバカだけなんだよ。」
……流石に言い過ぎたか。キバオウが絶句している。だが、これが俺の考えだ。反論があればどうぞご自由に、だ。
「……発言、いいか?」
唐突に背後から掛けられる深みのあるバリトン。振り返ると身長175cmある俺でも見上げなければならない様な巨漢の黒人だった。威圧感はすごいがどこか人の良さが感じられる。
「俺はエギルだ。キバオウさん。あんたβテスターが全部独り占めしていったって言ってたが、金とアイテムはともかく情報はあった筈だ。」
そう言ってエギルというらしい巨漢は懐からある冊子を取り出す。確かそれは……
「この本、今までの村全部で無料配布されていた物だ。モンスターの情報からフィールドの地図、クエストの詳細まで載っている。あんたも貰っただろう。」
「
貰
(
もろ
)
たで。それが何や?」
「情報が早すぎると思わないか?これを配布出来たのは元βテスターしかいないんだ。」
あの本の名は《アルゴの攻略本》という物で、《鼠》の異名をとる情報屋のアルゴが、元βテスターから巻き上げた金で無料配布しているものだ。ベル姉も何度か補足情報を提供している。
ふと外を見るとアルゴが会議を眺めている。視線だけで挨拶するとご丁寧に手を振り返してきた。相変わらず鋭い人だ。
「う……まあ、ええわ。けど、納得した訳やないで?いつかハッキリさせたるからな!」
そう言ってキバオウは人の輪に戻る。俺も戻ろうとした時、エギルに呼び止められた。
「ちょっと待った、レイって言ったか?」
「……そうだが、まだ何か?」
「お前の意見に何かあるわけじゃ無いんだが……少しは言い方を工夫した方がいいぞ?わざわざ孤立する必要も無いんだ。」
「………そうだな、気を付ける。」
どうやら、本当に気の良い人の様だ。
ベル姉の所に戻るなり小声で怒られた。後悔はしていないが相談くらいはするべきだったかもしれない。
「……よし、気を取り直して、ボス攻略の為にもパーティーを決めよう。皆、適当に六人パーティーを組んでくれ。」
……しまった、レイドパーティーの事をすっかり忘れていた。さっきの今で俺と組みたいとは思う奴はいないだろう。
そんな事なさそうなエギルも、既に仲間がいるようだ。
「わ、わ、どうしようレイ!パーティーだって!」
「ベル姉、落ち着いて。」
今此処にいるのは46人。1レイドには若干足りない。つまり、俺達以外に二人、絶対あぶれる筈なのだ。
で、
「あんたら、あぶれたんだろ?」
俺の前にいるのはやや黒みがかったグレーのレザーコートを着た細身の片手剣士(ソード
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