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ソードアート・オンライン【Record of Swordmaster】
003:トルバーナにて
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と言うのは元βテスター達の事かな?」
「決まっとるやろ。」
ディアベルが厳しい顔をして確認するが、キバオウから返って来たのは肯定。広場の全員を見渡して続ける。
「β上がりの連中は、このデスゲームの始まったその日に右も左も分からん9000人のプレイヤー達をほったらかして自分達だけ強くなったんや。こん中にもちょっとはおる筈やで……他人見捨てといてボス攻略に混ぜてもらおうなんて考えとる連中が。」
隣のベル姉が体を固くする。ベル姉にとっては他人事で無いだけに深刻なのだろう。それに、あのキバオウとかいう奴みたいな自己主張の激しいタイプは、押しの弱いベル姉には相性が悪い。
「奴等に土下座させて今回の作戦の為に今まで貯めた金やらアイテムやら全部吐き出してもらわな、パーティーメンバーとして背中を預ける事はできへんなぁ!」
「……っ!」
隣にいたベル姉が声を出し掛けるのを制止する。わざわざベル姉が汚名を被る必要はない。泥を被るのは……俺だけで十分だ。
「言いたい事はそれだけか?」
突然の俺の発言に周囲が戸惑う。ベル姉が驚きと非難の入り混じった目で見てくるが、俺にとっての最優先事項はベル姉の生存だ。故に、ベル姉に危害が加わる可能性があれば、僅かであっても排除する。
「だ、誰やジブンは!?」
「レイだ。βテスターが知り合いにいてな、友人の名誉の為にも言わせてもらう。」
……実際は姉だけどな。
「あんたの主張は、βテスターのせいで大量の人が死んだ。だから謝罪し、弁償しろって事だよな?」
「そ、そうや!」
「なら聞くが……βテスターがもし、面倒を見ていればどうなったと思う?」
「それは……決まってるやろ、もっと沢山の……」
「そうだな……もっと沢山……下手したら倍は死んでただろうな。」
「な!?んな訳ないやろ!」
「………これは聞いた話なんだが、死んだ2000人の中にβテスターが大体何人いたと思う?」
「はぁ?………知らん。」
「なら教えてやるよ、ざっと300人だ。そしてβテスターの中で製品版でも継続プレイしているのが800人前後。死亡率はほぼ40%だ。知識を持っている人間が4割死んだ。……なら、全体に知識を伝えれば?必然、フィールドに出る人間も増え、それから………ひょっとしたら、やっぱり4割死んだかもしれない。大体4000人、倍だな。」
「そ、そんなもん分からんやろ!」
「そうだな。実際は死なない可能性もある。だが、今更『可能性』なんて犬でも食わないような物の話をして何になる?死んだのは己の実力不足だ……第一、死にたくなければ始まりの街に籠ってりゃいいじゃねぇか。フィールドで死んだ以上、誰かに殺されたんでも無い限り自己責任か、この状況を作りだした
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