暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
12
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話



 やがて、元通り小さくなったパピリオとベスパを連れ、あいつと神無が戻って来た。

『パピリオ、ベスパ両名の血により、融合のキーワードを受け取りました、間もなく完全体に変化します』

「本当なら「破瓜の血」の方が良かったんだけどな」

「では私の血を使えっ、この体は「新品」なんだろ? コード7を解除して、昔みたいに血が出て擦り剥けるまでしろっ」

「じゃあ私も。 デッキの上でして、終わったら裸で歩き回って、逆天号血だらけにしてあげる」

 ベスパ達と浮気されそうで、あいつを睨んで下品な言葉を使う神無と朧。

「いや、先代の乗組員の血でないと、あっちのパスは解除できないんだ。 お前達は魔界に行った後、たっぷり可愛がってやるからな」

「えっ? うん」

「分かった…」

 真っ赤になって、また騙されている二人。 周囲に男がいないと、ここまで免疫が無くなるものなのか?

 ベスパとパピリオをゲストル−ムで休ませ、暫く経つと逆天号からの放送があった。

『逆天号Aと融合完了、融合の効果により損傷は全て修復されました。 妨害用の雲海より出ます、通信可能になるまで暫くお待ち下さい』

「そうか、ワルキューレ、頼んだぞ」

「うっ…」

 名前を呼ばれただけで、何を要求されたかすぐに分かった私。 多分、しもべとしては優秀になったのだろうな。

《聞こえるか?》

《どうなった、報告しろ》

 無線鬼を持ち、本隊と連絡を取る。 ほんの少し躊躇したが、私は何故かこう言ってしまった。

《状況終了! ベスパの逆天号が勝った。 偽の逆天号は断末魔砲を被弾して炎上、残骸は異界に沈んだ。 我々は脱出した所を回収され、ヨコシマも確保した、これより帰還する!》

《そうかっ! ベスパ達はどうした?》

《戦闘中に負傷した、ハニワ兵が治療に当たっているが軽傷だ》

《了解、よくやったと伝えてくれ》

 誰がこんな馬鹿な報告を信じるのだ? 特に神族は信じるはずが無い。 魔体を操り、惑星規模の浄化を成し遂げた魔神、いや、大天使と言ってもおかしくない奴が、アシュタロスも乗っていない逆天号に負ける訳が無い。 隊長1体でも勝てただろう。

「ご苦労さん、これでやっと任務完了だな」

「本当か? まだ何かするつもりだろう」

「そうだな、第4ラウンドがあるけど、これはすぐだ、船も動かさないで済む」

 まだあるのか…… もう、いい加減許してくれ…

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ