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その日はいつかやって来る
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「やれるもんならやってみろっ」

 ドンッ! ガアアンッ!

 発光しながら巨大な如意棒を振り回すパピリオ。 術と言うより、如意棒を持った者を巨大化させる効果があるのだろう。 そして力の源は、皮肉な事にこの逆天号らしい。

「どうしたっ? まさかその程度じゃないだろうな。 本気を出してみろっ」

「ガアアアッ!!」

 超加速はしているが、何とか私の目で追える程度だ。 隊長のようなとんでもない速さではないが、あの破壊力は… この船が先に壊れるんじゃないか? それに一発でも食らったら、あいつもただでは済むまい。

「まだまだだな… ダンピールフラッシュ」

「グオオオオッ!」

 如意棒はかすりもしないで、パピリオの手の上に立ったあいつが、ダンピールフラッシュを放った。 小さな傷口から血が噴き出し、その血を受けた逆天号が光っている。 これが儀式、あいつらが生贄なのか?

「ウオオオオッ!」

 自分の髪の毛を千切って、周りに撒くパピリオ。 ハヌマンの数多い技の一つ、分身か。

「へえ、そんな事もできるようになったのか、俺には教えてくれなかったのに、よっぽど気に入られたんだな」

 元の大きさのパピリオや、巨大なパピリオの分身に取り囲まれ、霧になって消えたあいつ。 そこまで追い詰めただけでも立派なものだ。

「あんまりちょこまか動くなよ、間違えて本物を真っ二つにするかも知れないからな」

「ゴオオッ!」

 神通棍を鞭にして、順番に分身を倒して行くあいつ、そこで怯えたのか、雲を呼んで逃げるパピリオ。 いや、速度を上げてこちらに突っ込む気だ。

「それでいい、もし逃げてたら、殺す所だった」

「ガアアアアアアッ!」

 一息で十万八千里を飛ぶと言われた雲、それが今、全力で突っ込んで来る。

『警告! 超高速の飛行物体が接近! 当該目標に対し、迎撃は許可されていません、耐ショック姿勢を取って下さい!』

 逆天号の警告まで出た、パピリオは以前に近い力を持っている。 それを待ち構えるあいつは、魔装を巨大化させた… これは人間の霊力では不可能だ、それにこの力、魔体その物じゃないのか?

「かかって来いっ!」

「ウォオオオオオオオン!!」

 ズドンッ!! ゴゴゴゴゴゴッ!

 逆天号から離れて迎え撃ったあいつだが、それでも相当な衝撃波が襲って来た。 直撃されていれば、逆天号も沈んでいただろう。

「強くなったな。 ちょっと惚れ直したぞ」

「ガ… グウ……」

 如意棒を払われ、鳩尾に肘を打ち込まれて倒れたパピリオ。 素晴らしい、下級魔族の身でありながら、よくぞそこまで自分を鍛え上げた。 負けたとは言え、相手は魔神だ、恥ずべき事ではない、賞賛に値する
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