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のか? それとも摩擦を生み出して、この世界の破滅を防ごうとしていたのか?」
「違うっ、違うっ!」
「そうか、時空の彼方に消えた恋人の、魂だけでも取り戻そうとしていたのだな?」
「言うな〜〜〜っ!!」
狼狽して、何の方策も無く、ただ突っ込んで行くベスパ。 図星だったのだろう、分かりやすい奴だ。
「お前の目と表情が全てを語った、ゆっくり眠るがいい」
「う… あ……」
首の後ろに手刀を打ち込まれ、ベスパが崩れ落ちて行った。 神父のように吹き飛ばなかった所を見ると、手加減はできるらしい。
「横島君っ、パピリオちゃんを連れて来たわっ」
「離すでちゅ!」
「ああ、ご苦労さん、危ないから離れててくれるか?」
「はいっ」
パピリオを置くと、また消えたコバト。 あれを目で追えるようになれば、超加速など問題では無くなるだろう。
「よくも逆天号を壊したでちゅねっ! もう許さないでちゅ!」
ハヌマンの所で修行して、多少の力は付けたようだが、旧式と言ったコバトにさえ、易々とさらわれるようでは問題外だ。 さあ、どう戦う?
「よ〜う、パピリオ〜、久しぶりだな〜、直接やり合うのは何年ぶりだ?」
こちらは当時の弱かった頃が嘘のように、恐ろしいオーラを発散している。 船の中からでも、あいつがどこにいるか、どんな力を持っているか感じられる程だ。
「ひっ! お前、本当にポチでちゅか?」
「そうだ、ルシオラと混ざった後、バンパイアの力と、不死の魔法を教えて貰ったけどな」
「人間のくせに、そんな力が付くはずないでちゅっ!」
「どうした? かかって来いよ、お前に借りがある奴が、どうしても戦いたいらしくてな」
そう言って、また魔装して行くあいつ。 パピリオ如きにその必要は無さそうだが、これも遺言か? いや、カオスと同じで経歴まで調べて、叶えたかった夢は全部叶えようとしているのだろう。
「それ、あたちに南極でグチグチと細かい攻撃した弱っちい奴」
「覚えてたか? 昔は女の前で一発でやられて、恥をかかされたそうだからな。 今度はタイマンでやって勝ちたいらしい」
「何回やっても同じでちゅ… そんなの怖くないでちゅ!」
そう言いながら、どんどん後ろに下がって行くパピリオ。 そうだ、逃げられるなら逃げた方が懸命だ。 ベスパのように簡単にはやられるなよ。
「来ないなら、俺から行くぞ」
「ガッ、ガアアアアアッ!!」
そこで恐怖感に負けたのか、獣のような声を上げてパピリオが巨大化して行った。 ハヌマンに教えられた術か? だがどれだけ力を出しても、あいつには及ばない、大人と子供以上に差がありすぎる。
「行くでちゅっ! ポチーーーーッ!
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