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はついた、こちらが危険を負う必要は無いだろうっ」
神無の言う通りだが、これも儀式の一つなのだろう、今度は何が目的だ?
「逆天号とアシュタロスの魔体は、この世に2つ存在してはならない、だからこの煙から出るのは一隻だけ。 俺達が交代する時、あいつも沈む、重なって影となって消える時だ」
「何の事だ…?」
知らない振りをしながらも、聞いてはならない言葉に怯えている神無。 ではベスパとパピリオも消えるのか?
『警告!! 逆天号Aと衝突します! 船体に重大なダメージを負う可能性極大! Gキャンセル最大、耐ショック姿勢を取って下さい!』
「ぶ、ぶつかるでちゅっ!」
「突っ込めっ! アシュ様の力を見せてやれっ!」
ズンッ!! ドドドドドドドッ! ドンッ!
今までで最大の衝撃が襲い、船内の照明が消え、非常灯が点灯した。 モニターが消える前に、ベスパの逆天号が横を向いていたが、何がどうなったか、どっちが上なのかも分からない。
「ふう…、酷い目に遭ったな」
遭ったんじゃない、お前が遭わせたんだ。
「神無、朧、大丈夫だな」
「あ、ああ…」
「うん…、でも生まれてから一番怖かった」
「逆天号、ワルキューレ、生きてるか?」
「ああ、生きてて悪かったなっ」
『自己診断中、復旧まで少々お待ち下さい』
逆天号も生きているらしい、こんな宇宙のど真ん中で放り出されたら、全員のたれ死にだ。
「あ〜ん〜た〜、何やってるの〜〜」
「おお、令子はちゃんと死んでるな、よしよし」
「ああんっ、そんなとこ触らないで〜〜」
なんて言い方だ。 暗闇にモワッと現れたミカミだが、二人とも嬉しそうに笑って、とても戦闘中とは思えない。
「そうか、お前には言ってなかったな、俺ってアシュタロスだったんだ」
「へ? 何の話? さっぱり分からないわよ…」
それは私も聞いていないぞ… どう言う意味だ?
「隊長にどこまで聞いた?」
「え… あんたが怨霊を全部昇天させちゃったから、私みたいな霊能者は必要ないって… 私なんか、この世にいなくてもいい存在だから、さっさと消えちゃえって… うえ〜〜ん、ママが苛める〜〜っ」
これなら娘の性根が腐っても仕方無いと思える、何て親だ。
「よしよし、除霊は無くなったけど、金ならあるから、今度は武器商人でもやろうか?」
「えっ? いいの? 私なんかがこの世にいてもいいの?」
「あたりまえじゃないか、こいつぅ」
「やぁん、あんた〜〜(ハート)」
「そんな場合じゃないだろうっ、さっきの言葉はどう言う意味だっ」
思わず聞いてしまったが、その答えは聞いてはいけないような気がする。
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