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って行く、魔界でこの光景は見たく無いものだな。
『警告! 断末砲魔発射! 衝撃に備えて下さい』
バウンッ、バウンッ、バウンッ!
断末砲魔とは? 昔、妙神山を破壊した兵器と同じか? 異界の中にいる敵まで攻撃できるのか。
ドンッ! ズズズズズズッ
近くの空間が盛り上がり、逆方向に押し出される。 宇宙には慣れたが、こんな奇妙な感触は初めてだ。 昔は直撃だったから、こんな悠長に観察する暇は無かったが、今はベスパがあの感触を味わっている所だろう。
「ベスパちゃんっ! 異界の中なのに攻撃されたでちゅっ、これ… 断末砲魔でちゅよっ!」
「くっ、ポチの奴、偽者だと思ってたのに、どうやって逆天号を作ったんだ? 魔体まで作ったなんて、まさか」
「このままじゃ、近付く前にやられまちゅ!」
「我慢しなっ、外に出たら断末魔砲の撃ち合いになって一発でやられる。 このまま行ける所まで行くよっ」
「うんっ」
『尚も接近中、第二波発射、断末魔砲チャージ』
「また来たでちゅ!」
「深深度潜行…、いや浮上っ、緊急浮上だっ!」
ドウンッ!! ズズズズズズズズッ!
正面の星がゆらめいて、ベスパの逆天号が浮かび上がって来る。 そこでこの船を揺るがす程の爆発と震動があった。
「ベスパにしては良い判断だな、まぐれか? それとも戦士の勘か? まあいい、出て来た所を撃ち抜いてやれ」
『了解』
「浮上したらすぐに断末魔砲発射っ、装甲をこじ開けた所に角を突っ込んでやれっ!」
「うんっ!」
宇宙でこの距離は目と鼻の先だ、昔は隊長の時空転移能力で、時差を作って自滅させたんだったな。 今は新旧の逆天号同士で… いや、千年の時差がある同じ船が撃ち合っているのかも知れない。 今にして思えば、乗員の増減は、儀式が壊れ始めている印だったのだろう。
『警告! 断末魔砲発射!』
「撃てっ! パピリオッ!」
「やっ!」
ギャアアアアアアアアア!!
嫌な発射音が二つ重なり、私は耳を塞いだ。
『被弾しました、右主翼大破、魔力シリンダー損傷、航行に支障あり!』
「撃たれたでちゅっ! 動きまちぇん、もうだめでちゅ!」
「あきらめるんじゃないよっ! このまま突っ込めっ!」
宇宙なので落下もせず、爆煙と破片を撒き散らしながら、真っ直ぐ突撃して来るベスパの逆天号。
『回避します、断末魔砲チャージ、艦載機により攻撃開始』
こちらは回避する余力があるのか。 勝負は着いたな、どれか一つでも攻撃が決まれば、ベスパの逆天号は沈む。
「いや、真っ向勝負だ、こっちも直進、ラム(衝角)戦だ」
『了解』
「馬鹿なっ、もう決着
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