暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
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せんべつ」だって言ってたでちゅ」

 持ち物を指摘されると、急に顔色を変えるパピリオ、お前も弱すぎる。

「そうか、ハヌマンも転生するのか、もう死んだのか?」

「ハヌマンは死なないでちゅっ! まだあたちなんかよりっ」

「弱くなっちまったんだろ、また石に封じられたのか? それとも」

「ちっ、違うでちゅっ!」

 そこまで言うと、顔をくしゃくしゃにして泣き始めたパピリオ。

「それなら斉天大聖の名は、お前が受け継いだ。 早く俺を倒しに来い、待ってるぞ」

「ぐすっ… ポチなんか、ハヌマンの技ですぐにギタギタでちゅ」

「どいてなっ、パピリオッ、あたしは何をすればいいっ? お前の事だから、あたしの体が欲しいのかい? それともルシオラやアシュ様を産めばいいのかい?」

 哀れなほどに、自分から譲歩して行くベスパ。 お前も私の仲間入りだ。

「ふっ、自分の体を売ってまで、あいつを生き返らせて欲しいのか? 俺があいつの父親? お笑いだな。 だけどそんな下らない方法で痛みを浪費するのは嫌だ」

「じゃあ何をして欲しいっ?」

 もうベスパも、隣にいるパピリオを殺せと言われれば、間違いなくそうするだろう。 チラチラと目線を送って、隙をうかがっているのが見える、しかしこいつの要求は多分…

「死ぬ気で俺と戦え、こっちの逆天号を沈めてみせろ! そうすればアシュタロスはお前のものだ。 復活の儀式はもっと時間がかかるけど、それぐらい待てるだろ?」

「わかったよ、どんな方法でもいいんだな?」

「撃ち合いになって負けるより、体当たりさせて自分で乗り込んで来るつもりだろ? やっぱり分かり易すぎるよ、お前は」

「くっ、仕方無いだろ、こっちの逆天号はもう死にかけてる。 アシュ様だっていないから、断末魔砲だってほとんど撃てないんだよっ」

 指揮官が自分から弱点を全部晒すか? それとも、もう支配されたのか。

「真っ向勝負か? どっちの逆天号の角が強いか、アシュタロスと俺の角、どっちが硬いか試してみるか」

「ああ、アシュ様の逆天号の力、見せてやるよっ!」

 そこで通信が切れた、不自然な切れ方だったから、異界に潜行したんだろう。 ベスパにしては上出来だ。


 ザンザンザンザンザンッ!

 暫くすると、巨大な船が空間を押し分けて進む音が聞こえて来た。 音と言うより、空間が震動する感触だ。

『警告! X1時、Y4時の方向に異界震動、異界より接近する物体あり! 迎撃します!』

「よし、でも程々にしてやれよ、俺の楽しみが無くなる」

『了解、艦載機全機発進、スモークディスチャージャー展開』

 逆天号から、探知を妨害する煙幕が張られ、虫のように何千機ものアンドロイドが飛び立
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