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その日はいつかやって来る
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ーー!

「ああっ! 笛がっ… やめてっ、おキヌちゃん」

「シルク、こいつは悪霊じゃない、いいんだ」

「でも…」

 暫く見なかったシルクが現れた、しかし、いつの間に月神族が「お姉様」になったんだ? 閉じ込めて見張っていた間か? 「ずっと部屋に篭りっきり」だったが、今の表情を見れば何をしていたかすぐに分かる。 泣き腫らした目に、体中に付いたキスマーク、足元もまだフラフラしている。 こいつは「3人交代で腰が抜けるまで可愛がられて、さっきまで気絶していた」のだ(怒)。

「シルクって誰〜〜」

「この子はおキヌちゃんじゃない、転生して今はシルクって名前なんだ」

「う〜わ〜き〜も〜の〜〜」

「そうだな、まあ、俺に憑依したかったらそうしろよ」

「へ?」

 怨霊を撫でながら、嬉しそうに会話する奴は今まで見た事が無いが、こいつなら怖い物は無いだろう。

「どうしてもお前を助けられなかったから、ワルキューレに魂売って、魔界にお前を助ける方法を探しに行く所だったんだ、グスッ(嘘泣き)」

「あ、あんた…」

「こんな宇宙で「千年も」お前を待ってたのに… カオスのおっさんと二人「だけ」で、あんな装置を作るために「国家予算を湯水のように」注ぎ込んで、「お前を助けるためだけに」作ってたのに… 「人類全部を犠牲」にしても、「お前だけ」を助けようとしたのに…」

 確かに言っている内容は嘘じゃない。 しかし、泣き顔や、拳を握って震えている姿に、違和感を覚えるのは私だけだろうか?

「もうっ、バカねっ、これからずっと取り憑いてやるんだからっ(ハ〜ト)」

 成仏もせず、騙されて憑依霊として居残ってしまったミカミ、哀れな奴だ。

『南米のアクセスポイントより、旧逆天号の発進を確認。 これより旧逆天号を「A」私を逆天号「C」と呼称します』

 ベスパが、来た…

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