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が現れ、気が気ではない神無。
「いや、こいつは放してやろうと思ってる」
「「どうしてっ?」」
「俺とこいつは、一緒にいると不幸になるんだ。 子供の頃は愛だとか恋だとか、勢いだけで一緒になったけど、喧嘩した覚えしか無い」
「嘘だっ、そんな女をなぜ千年も待っていたっ! どうしてこれだけの施設を作って、あの瞬間を待っていたんだっ?」
「機械はカオスのおっさんの趣味だ、それに戦友の遺言だからな、「必ず助けに来んのよ」って言ってた」
また遺言だ、だがなぜ捕まえない、手を伸ばせばそこにあると言うのに。 それに最後の言葉は「また一緒に」だったはずだ、まだ何か叶えていない約束があると言うのか?
「愛してるから別れるの? それって究極の愛じゃないっ」
確かにこの行為こそ、今の時代に枯渇した「愛」と表現しても良いだろう。 契約した者達が残した、最後の言葉に縛られた無償の愛と。
「いいや、もしお前達だったら、誰を敵に回しても絶対に取り返す。 だけどこれから何をするにも文句しか言わない奴を連れて行くつもりは無い。 それに結婚して3年も一緒にいられなかった女と、2百年以上面倒を見てもらった女、どっちが大事だと思う」
「それは… だが、私のために別れると言うならやめてくれ、正々堂々と決着を付けたい」
「だめだ、こいつは汚いぞ、おふくろやシルクも巻き込んで、必ずお前を罠にかける。 こいつに「正々堂々」なんて言葉は無い」
死んだばかりの相手に言う言葉では無いと思うが、それだけ骨身に染みているのだろう。 魔神を騙せる奴は少ないからな…
『修復が完了しました… ボディーなら、いつでも用意できますが?』
「いいんだ… さあ、行けよ、どこでも好きな所に、自由に……」
あいつの手のひらから飛び立って行くミカミ、お前はよく戦った。 魔族の中でも、お前の名を覚えている者は少ないだろう。 しかし私は忘れない、人間の身でありながら、あのアシュタロスをも脅かし、ついに倒した女だ、尊敬に値する。
『さようなら… 私の古い主よ…』
逆天号も別れを告げている。 たしか昨日、自分を人工幽霊と言っていたな、あの事務所を管理していた霊か。
「令子を助けてくれてありがとう、これで私達の遺言は叶えられたの」
「いえ、後2人、願いを叶えてやらないといけない奴がいるんですよ、第3ラウンドです」
二人? 誰だ、小竜姫とヒャクメじゃない… ベスパとパピリオか。
《ここで残念なお知らせです、OICPOより、ドクターカオスの死去が発表されました。 繰り返します、先日の魔力送信アンテナの破壊工作に巻き込まれ……》
その夜、混乱を極めた地球からのニュース映像を見ていた私達。 我々や神族にはとっ
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