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冥子を起動、神父とおキヌ、吾妻さんのダミーを出せ。 それと… 令子の指輪を」
『了解』
カタパルトデッキに移動すると、懐かしい女、ミカミ・レイコが鉄板を掴んだまま運ばれて来た。 但し、私の装備からは放射線警報が鳴り響き、これ以上は近付けない。
『鉄板を除去、バスタブ内で洗浄を継続、覚醒処置を行います』
ミカミが洗浄されている浴槽の周りに、アンドロイドが並び、シルクと同じ顔をしたダミーが巫女装束で現れ、神父と鉄仮面のダミーも古めかしい服装で現れた。
「あれ…… あんた…? あたし、帰って来たの?」
「ああ、やっとな」
「あの場所からずっと動けなかったのに… 重い荷物持ってたから、時間しか移動できなかったのに… どうして?」
「カオスのおっさんが教えてくれたんだ、何万年かに一度、地球の方が動く時があるって」
「えっ… あれから何年経ったの?」
「982年だ」
「そんなに… でもなんであんたが生きてるのよ? ピートやカオスならまだしも」
「本当よ、令子」
「令子君、よく頑張ったね」
「ママ、先生、みんな… もう、やっぱりそんなに… 時間… 経ってない、じゃない…」
「令子っ!」
力尽きて気を失いそうになるミカミを抱いて、大声で目を覚まさせるあいつ。
「触っちゃだめよ、あたし汚染されてるから」
「いいんだ、あれから技術が発達したから、大丈夫なんだ」
「そうなの…?」
嘘だ、ミカミの体は鉛で巻いても、金に変えるぐらいの勢いで放射線を出している。
「何か鉄腕ア*ムになった気分だったわ… 爆弾抱えて太陽に飛び込むか、誰もいなくなった時に地球に戻って、一人で… 死ぬと思ってたのにっ」
そう言うと、ヨコシマにしがみ付いて泣き始めたミカミ、鋼鉄のような女だったが、さすがに心細かったのだろう。
「そんなわけないだろ、世界最高のゴーストスイーパーが、これだけいるのに」
「そう… ね、 ねえ? 指輪… 返してよ…」
「ああ」
離婚したと言っていたが、大事に取っていた指輪をミカミの左手に戻してやるあいつ。 別れの瞬間の悲しい嘘だが、ここで本当の事を言う奴がいたら、神無でも口を塞いでやる。
「ありがとう… これでまた一緒に…………」
「そうだな、でも除霊の仕事は無くなったから、次はもっと安全なのにしような」
もう動かなくなったミカミを、いつまでも抱いていたあいつ。 神無達も、さすがに邪魔をしようとはしなかった。
「令子の体を保存、魂と霊体を治してやってくれ」
『了解……』
「どうするつもりだ、修復が終われば、私達のように体を与えるのか」
あいつが求めて止まなかった、若い頃の本妻
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