暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
09
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けですけど、2,3日は苦しませてやって下さい、令子が苦しんだ分は…」

「神様にそんな事したら罰が当たるよ」

「もう当たってるよ。 ほら、おふくろには地球以外の経営権と採掘権だ、小遣いには多いけど、マネーゲームは好きだっただろ? 令子とは全然反りが合わなかったのに、金に関してだけは「師匠」って呼ばれてたしな」

「お前… 最初からこのために」

「いいや、全員の願いを叶えるのは難しかったから、カオスのおっさんに考えて貰ったんだ。 これも全部、おっさんの計画通りなんだろうな…」

 本当にあのカオスが考えたのかどうか疑わしいが、また声を震わせているあいつ。 よく泣く奴だ… そこで震動が始まり、周囲が崩壊を始めた。

「さあ、今の戦いで最後のバランスが崩れそうだ、止めは反物質弾で極移動が起きる、早く帰れよおふくろ」

「まだ何かやろうってのかい、だったら今度はあたしがっ!」

「いいのよ百合子さん、貴方の息子さんとドクターカオスの計画よ、間違いは起こらないわ」

「でも…」

「地球が動いた瞬間にアクセスして、令子を時空の狭間から取り出す。 それだけだ、安心しろよ」

 ミカミの救出が目的だったか、しかし、そのためだけに地球を動かすとは……

「これも令子のための戦いだったのね」

「全部じゃないですけどね。 でも何日か前の俺には、無理矢理動かすなんて出来ませんでしたよ。 単純なミスで地球が滅ぶんですから、例え何千年でも自然にバランスが崩れるのを待つしかなかった」

 こいつはあの場所で、ずっとミカミを待っていたのだ。 隊長の最後の命令を守って地球を守り、親孝行の方法を考え、他の者の願いを叶えながら…

「もしかしたら、千年前もこうだったのかしら」

「ええ、アシュタロスだって馬鹿じゃないですから、何の見返りも無しに、南極の拠点を捨てた訳じゃないでしょう。 あの時、あいつも俺と同じように、何か大切な物を取り返したんですよ」

 何故嬉しそうに言っている。 お前は奴が憎かったのでは無いのか、まさか奴の願いまで叶えると言い出すんじゃ無いだろうな。

「じゃあこれ、無駄になっちまったね」

「懐かしいな、「模」の文珠か、お別れにそれ使って、一発殴って行ってくれよ」

「そうかい、殴られるのが好きなのも父親似とはね」

『摸』

 グレートマザーがヨコシマと同じ形、ユキノジョウと同じ形に魔装して行く。

「魔界に行くんだったね、しっかりやれるよう、気合を入れてやるよ」

「ああ…」

「歯を食いしばれっ! 1、2、3、ダァーーー!!」

 ガシッ!! ズザザアーーーー!!

 頬を張り飛ばされた勢いで、そのまま地面を滑って行くあいつ。 多分、この程度では死なない
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