暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
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ザーは、自分の予備や量産型を残し、僅かな手勢だけを連れて、塔の頂上に上陸して来た。 あちらも儀式を忠実に再現する事にしたらしい、その方が明らかに被害は減るはずだ。


 第8話

「ゴーストスイーパー美神美知恵、横島百合子! 私達が極楽へっ! 行かせてあげるわっ!!」

 合体した奴らは、さらに恐ろしい存在になった。 ただのステッキのような神通棍を、全長百m以上の鞭に変え、直径2m近いビームのように、触れる物全てを破壊して行った…

 先程の神無と神父の戦いが子供の遊びに思える。そこであいつが叩き落され、神通棍がその場所を貫いた時、私は命の危険も考えずに飛び出そうとした。

「待てっ! ワルキューレッ」

「頼むっ、あいつを助けてくれっ!!」

 そう言いながら、神無にすがりついて泣いていた私… 足手まといは私だ、弱い、力が欲しい、あいつを守れる力が…

「見えないと不安だろう、お前にも何が起こっているか見せてやる」

 そう言うと、私の目を押さえて、自分が見ている光景を投射してくれた神無。 私も加速している。


《美知恵さん、やったのかい?》

「いいえ、どこかに隠れてるわ、全周に気配があるのが不気味だけど」

 ザアアアッ

「その通り、残念でした」

「バンパイアミスト… ピート君の技まで、どうやって?」

「あいつが死ぬ前、俺の血を吸わせたんですよ、少しは元気が出るかと思いましてね。 でもあいつは俺を支配しなかった、死んだ時、連れて行ってもくれなかった」

 霧になったあいつが、隊長の背後に現れて締め上げている、良かった、生きていたんだな。

「そう… でもみんなの技で戦うなんて、貴方って律儀なのね。 だけどピート君やタイガー君までヤりたがってたかしら?」

「ちょっとお祭りに付き合って貰ってるだけですよ、ダンピールフラッシュ!」

「ああっ!!」

 巨大な鞭が四方から包み込む前に、あいつの技が隊長を叩き落し、また霧になって消えた。

「どうだっ、俺の中にっ! 俺の血の中に生きてるかっ?! ピートッ!!」

 上空から速射砲のように、霊波砲、ダンピールフラッシュを打ち込んでいるあいつ。 もう人間の領域を越えているのは間違いない、ハヌマンより強いと言った相手を追い詰めているのだから。

「いい加減におし、これ以上「おいた」が過ぎると堪忍しないよ」

「よお、おふくろになったか。 でも「チエちゃんのお婆とテツの法則」は通じないぞ」

「この家庭内暴力息子っ! 母親に手を上げるなんて、やっぱりお前は父親似だよっ!」

「やかましいっ! このクソババアッ! 今までよくもやってくれたなっ!」

「あたしに口答えするのは、その口かっ? その口かっ!
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