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が私の勤めなのだ)
壮絶な超加速同士の戦いが終わった。 私には見えなかったが、カタパルトデッキを駆け巡る衝撃波と、破壊の跡を追う事はできた。 気付いた時には神無は刀の汚れを拭い、朧がヨコシマを胸に抱き止めて、神父が滅びる瞬間を見せようとしなかった。
「男性型って、神父かクソ親父だけだったのにな。 お前達に嫌われないように世話させるには、丁度良かったんだけど、また弱いのでも作り直すか」
平然と言っているように聞こえたが、朧が離れようとしなかった所を見ると、その胸の中で泣いていたのだろう。 それは暫くして離れた朧の服が濡れていた事によって証明された……
『異界潜行装置、仮修復終わりました、南極上空の基地に移動します』
それから数時間、逆天号は南極の基地に到着した。 そこは他の軌道エレベーターと共に、軌道リングを支えるため、空から南極に向かって降ろされた巨大な塔の頂上。 またアシュタロスのバベルの塔の逆だ…
「行こうか、シルクは俺のダミーが「相手」してるから、このまま閉じ込めておけ」
『了解』
そこで私も立会人として決闘場まで連行されたが、通路には恐ろしい数の窓が並び、嫌な「声」を出していた。
「これは何だ?」
何気なくその一つを覗き込むと、その中は地獄だった。 洪水が世界を覆い尽くし、地殻は砕け、どんな強固な建物も崩れ落ち、天からは巨大な構造物が降って来ていた。
「危ない、吸い込まれるぞ」
危うい所を神無に引き戻されたが、もう少しで魂ごと持って行かれる所だった。
「それは全部、破滅して行く並行世界だ。 俺が成長しなかった世界、アシュタロスが破壊しなかった世界、どれも違う揺り返しが起こって、天変地異で終わって行く。 他にも惑星間戦争、疫病、彗星激突、何でもあるぞ」
まさか、こいつらが存在しないだけで、これだけの世界が、これだけの可能性が消えて行くとでも言うのか?
「これは… お前が作ったのか?」
「いいや、これはただの覗き窓だ。 お前だって神様だから知ってるだろ、いつでも、どこでも、あいつらの気まぐれで「天罰」が起こる。 それとも、あいつらの方針が気に食わなかったから魔族に堕とされたのか?」
「そうだったな…」
確かに、潔く戦って散るならそれも良い。 だが汚いからと言って、汚物のように流されてたまる物か。 奴らのやり方には絶対賛同できん。
「これが断末魔砲の正体か?」
「部分的にな。 でもこの苦痛と、断末魔の叫びを収穫しているのは俺達でも魔族でもない、神族だ」
神無と朧の顔色が変わった、それは月神族や人間が知っていい情報ではない。
「何故だ? 何故そんな事をする必要がある?」
「さあな? 多分、楽しいか
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