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その日はいつかやって来る
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、どのように使って頂いても構いません。 それよりも、神無が亡くなった事を隠すため、貴方を騙すような術を使ってしまいました、お詫びします。 もっと若い志願者もいたのですが、見ず知らずの娘が神無の姿で現れても驚かれると思い、寿命が短い朧を通わせました、横島殿を二度悲しませる事になってしまいましたね」

「いえ、お陰様で救われました。 二人の最後の願いが、俺に掛かった呪いを解いてくれたんですから」

 月の女王にだけは礼儀正しく喋っているこいつ、「隊長」には敵対行動を取っているから、交渉先として有効なのは月の女王しかいないようだ。

「そうでしたか、二人とも、良くやってくれました」

「「はっ」」

「他にも、私達に出来る事があれば、遠慮なく仰って下さい」

「はい、それでは一つ。 地球は魂の無い子供や、機械の体になった者が生きて行けない世界になりました、治療のために月に登って来た時は、体を与えてやって下さい」

「わかりました、横島殿に頂いた工場や警官達が、これまで通り上手くやってくれるでしょう、ご安心なさい」

「ありがとうございます。 これでお別れになると思いますが、神族や魔族から脅迫を受ければ、蹴散らしてやりますのでお知らせ下さい」

 お前は月神族になったのか? しかし、懐柔するならこれが正しい手段だったのだ。 パピリオでも誰でも良い、生涯を共にする女を送っていれば今頃… いや、もっと上層部では、こうなる事を見越していたのだろう。 アシュタロス同様、何も見ない振りをして準備させていたのだ。

「それでは最後に、神無、朧。 私からの願いを聞いてくれますか」

「「はい」」

「横島殿が魔界へ行かれるならば、どこまでも付いて行きなさい。 魔族になられるなら貴方達も魔族となって、生涯添い遂げなさい、わかりましたか?」

「「はいっ……」」

「それではごきげんよう、またお会いしましょう」

 その場に膝を着いて、泣きながら女王に向かって頭を下げる二人。 女王もこいつも深く礼をしながら通信が終わった。


「お前達… 俺に付いて来てくれるか?」

「当たり前だ、来るなと言っても付いて行くぞ」

「私だって」

「そうか、ありがとう。 じゃあ第2ラウンドだ」

 今度は何を仕出かすつもりだ?

「神無、シルクは危ないからな、「機械に触っただけで壊す」タイプの子だ。 ブリッジに来ないよう、部屋に閉じ込めておいてくれ」

「わかった、恐ろしい奴だな」

「朧、蛍になって隊長を呼んで来てくれるか? 俺も分身使って、あっちに行くから」

「うんっ」

「私は居残りか?」

「そうだな? 蜂になっても刺すような相手がいないけど、誰か刺しに行くか」

「ああ」


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