暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
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退避、魔体が崩壊します。 これにより霊破片の修復には失敗しました。 最終カウントでは… カオス式予測機と同数の被害です』

「そうか、さすがカオスのおっさんだ、いい仕事してるな」

 これが本当の被害… あの小娘が3億7千万の魂の救済を邪魔したのだ…… いや、それとも、神と魔を敵にしようとしたこいつを救ったのか? 今は全てが儀式通りに進んでいると信じよう……

『魂の放出に注意して下さい…』

 魔体が崩壊すると、中から膨大な量の魂が溢れ出して来た。 大半がその故郷である地球に降り注いで行く…

 中には月や火星に向かって飛ぶ者もいたが、地球の夜の部分に降って行く燐光は、とても美しかった。

 アシュタロス達に結晶にされた者だけでは無い、この数千年の間彷徨っていた者も全て赦されて、この時を迎えたのだ。 僅かな脱落者を除いて……

『回収精製された魂により、今後数百年の安定供給が保証されました。 おめでとうございます』

「めでたくないっ! でもシルクのお陰で、俺は何億人も救わずに済んだ、感謝したいぐらいだ。 やっぱりあの子は俺に幸運を授けてくれる天女だよ」

 そうだ、あの娘は、お前の命を守るために用意された歯止めだ。 お前が破滅に向かおうとした時、行動を起こして… 私は何故こんな事を知っている…?

『ドロイドの被害を確認、「式神5機」「机」「ホウキ」撃墜、「魔鈴」大破、「冥子」「小鳩」中破、残りは損害軽微です』

「そうか……」

 魂の被害より、無機物の損害に落胆して、頭を抱えるこいつ。 本当にカオスの灰やマリアの残骸に手を出せば、何をするか分からんな。
 
「霊力を吸われて気分が悪い、部屋に戻って休ませてくれ」

「ああ、まだ足りなかったら「注射」してやろうか?」

「ば、バカッ!」

 顔を真っ赤にしながら、ブリッジから走り去り、原隊と連絡を取るために「ポチ」の部屋に戻った私。 体の大きさと一緒に、本当に小娘になったような気分だ。

 だがもう認めざるを得まい、支配されたせいなのかは分からないが、私はあいつを好きになってしまったのだ。


《本隊へ、聞こえるか? 現状を報告したい》

《……生きていたのか? 何が起こっている?》

《奴は千年前のアシュタロスの事件を逆に再現しようとしている、結果は見ての通りだ。 だが、さっきの小娘のように、余計な手出しをすると被害が出る仕組みになっているらしい。 「隊長」との通信を傍受していたなら知っているだろうが、あの犠牲者の数は、魂の精製に失敗した人数だ》

《…了解。 だがなぜ通信が許された?》

《これも儀式の一つらしい、当時の奴は前の逆天号に、パピリオのペットとして忍び込んでいた。 私も同じようにスパイとして活動する
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