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果たしています』
「そうか」
『軌道リングと連動し、回収した魂と使用不能のまま放置された霊破片を回収中です。 回収完了までに一時間。 修復完了までに三時間を要します、それまでお休み下さい』
こいつが何をしているか、神族は気付いただろう。 しかし人間には分かるまい、あの隊長はどうだ?
「ヒャクメ、あれは何をしてるんです?」
「壊れた魂と使えない霊破片を集めてるのね〜。 放出されてるのは、修復されて精製された魂なのね〜」
「それではまるで…」
「そうなのね〜、魔体じゃなくて、ご神体なのね〜〜」
哀れな魂や救われない霊が全て昇天し、魔体?からは、修復されて澄んだ魂が放出されている。 欠けた心が引き起こす醜い欲望や、争いを求めない魂、これでは「始まりの時」と同じではないか。
「お笑いだろ? 悪の心を持って、人を殺したい物に課せられた使命は、人類の守護と魂の救済だったんだ、笑えよ」
「笑えない…」
「そう、笑えないジョークだな」
「だが、アシュタロスはあれを自分の意志でやった、お前もそうなんだろう?」
「昔の俺なら大喜びしただろうな。 もしかしたらあいつもそうだったかも知れない。 喜んで準備してたら、それは自分の一番嫌な事だったんだ。 でも後戻りはできない、坂道を転げ落ちるみたいに前に進むしか無いんだ」
私は何故泣いているのだ… こいつが哀れだからか? それともこの美しい光景を見て感動しているのか? 分からない、自分の心なのに……
「こいつらも貧しさや病気に負けただけなのに、綺麗な女や男の姿をした魔族に誘惑されただけなのに、それが罪だと? ふざけるな。 俺は神と名乗る傲慢な奴らを許さない、自分こそが秩序だと自惚れる馬鹿共を許さない」
「お前も、神と戦うのか……?」
「ちょうどそのバカが追いかけて来てるな。 魔体に吸わせて材料にしたら、人間用の魂なんかいくらでも作れる。 試してみようか?」
「やめろっ!」
あれだけの破壊力で吸引すれば、神族も我々の部隊も全滅だ。 そうなればデタントどころじゃない、両陣営がこいつを狩りに来る。
『警告! 魔体に向けて攻撃がありました』
「「何っ!」」
『弾丸「カオスの魔弓」と断定、軌道リング上の発射地点に「天女の羽衣」を確認、装着者は…「ヒムロ・シルク」です』
「何て無茶なっ!」
モニターに拡大された映像には、さっき見た幽霊娘が映っていた。 やはり転生していたのか。
《検索、ヒムロ・シルク》
《1300年続く氷室神社の娘。 ヒムロ・タダオからの援助により、養護施設を運営。 主に孤児を育成する事業に貢献、表彰多数。 政財界のプリンセス・メガと親交が厚い》
『魔体から
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