暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
06
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朧と言う女が、あいつの膝の上に座って誘惑している。 何故か腹が立つ、気分が悪い。

「バカがっ! そんな場合じゃないだろっ!」

 ベスパの装備を着けた神無が、やたら男っぽい喋り方をしている。 まさか私はパピリオ役なのか? あの帽子を被るときっと言葉使いまで……

「悪いな、その体は人間とすると、コード7に掛かって死ぬようになってる」

「え〜〜っ! 私だけお預けなんてずるい〜っ」

「じゃあ、次の座標修正の時、デッキに上がって地球でも見ようか、それで日が沈む位置になったら…」

「うん。 コード7って、キスしても死なないんでしょ」

「ああ」

 そう聞くと、朧はあいつに膝の上で、猫のように丸まって体を預けた。

「だからそんな場合じゃないだろっ! 配置に付けっ」

「お前も来いよ」

「えっ… ああ、邪魔だっ、朧…じゃない、ルシオラ」

 私の目を気にしているのか、元々そんな性格なのか、足の上に座っても背筋を真っ直ぐ伸ばしている神無。 ベスパ役だからか?

「じゃあ、ワルキューレは…」

「嫌だっ、パピリオ役は嫌だっ!」

「はあ? そうだな、お前が「でちゅ」って言う所も見てみたいな」

 しまった、最初から私はパピリオ役では無かったのだ。 それなのに余計な事を…

「残念だけど、お前は別の役なんだ、しばらく何も無いから、飯でも食って今のうちに寝ておけよ。 二人とも、ちょっと立ってくれ」

「うん」

「わかった」

 そのまま引きずられるように連れて行かれ、「ポチ」と書かれた部屋に通された。 パピリオ達がこいつを呼ぶ時に使う名だ。 こいつの部屋なのか? じゃあ私はこのまま月神族の代わりに…

「ち、ちょっと! まだ早い。 先にシャワーを…」

 妙な事を口走っている私。 多分そのままベッドに寝かされ、服を脱がされても抵抗しなかっただろう。 変だ、おかしい、どうかしている……

「違う、お前の役は当時の俺、逆天号に潜り込んだスパイだ。 ほら通信鬼も使っていいぞ」

「へ?」

「それとこれが、お前の装備だ。 明日からはこのマントと服を着てくれ、逃走防止用の首輪は今着けてやる」

「あっ! いや〜〜っ!」

 カチャッ

 私は「ポチ」と刻まれた首輪を着けられ、ポチの部屋でエサを与えられた。

「俺の時は腐った肉だったな、気に入らなかったら捨てて、逆天号に何でも頼めよ、結構いい待遇だろ?」

「まあな…」

 目の前には年代物のレトルト食品のパックが並んでいた、 賞味期限とか言う以前に、年号が西暦で、こんな形式の食べ物は、もう存在しない… あいつが出て行った後、私は興味本位で「カレー」と書かれたパックの封を開けて見た。

「うわあ
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