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朧と言う女が、あいつの膝の上に座って誘惑している。 何故か腹が立つ、気分が悪い。
「バカがっ! そんな場合じゃないだろっ!」
ベスパの装備を着けた神無が、やたら男っぽい喋り方をしている。 まさか私はパピリオ役なのか? あの帽子を被るときっと言葉使いまで……
「悪いな、その体は人間とすると、コード7に掛かって死ぬようになってる」
「え〜〜っ! 私だけお預けなんてずるい〜っ」
「じゃあ、次の座標修正の時、デッキに上がって地球でも見ようか、それで日が沈む位置になったら…」
「うん。 コード7って、キスしても死なないんでしょ」
「ああ」
そう聞くと、朧はあいつに膝の上で、猫のように丸まって体を預けた。
「だからそんな場合じゃないだろっ! 配置に付けっ」
「お前も来いよ」
「えっ… ああ、邪魔だっ、朧…じゃない、ルシオラ」
私の目を気にしているのか、元々そんな性格なのか、足の上に座っても背筋を真っ直ぐ伸ばしている神無。 ベスパ役だからか?
「じゃあ、ワルキューレは…」
「嫌だっ、パピリオ役は嫌だっ!」
「はあ? そうだな、お前が「でちゅ」って言う所も見てみたいな」
しまった、最初から私はパピリオ役では無かったのだ。 それなのに余計な事を…
「残念だけど、お前は別の役なんだ、しばらく何も無いから、飯でも食って今のうちに寝ておけよ。 二人とも、ちょっと立ってくれ」
「うん」
「わかった」
そのまま引きずられるように連れて行かれ、「ポチ」と書かれた部屋に通された。 パピリオ達がこいつを呼ぶ時に使う名だ。 こいつの部屋なのか? じゃあ私はこのまま月神族の代わりに…
「ち、ちょっと! まだ早い。 先にシャワーを…」
妙な事を口走っている私。 多分そのままベッドに寝かされ、服を脱がされても抵抗しなかっただろう。 変だ、おかしい、どうかしている……
「違う、お前の役は当時の俺、逆天号に潜り込んだスパイだ。 ほら通信鬼も使っていいぞ」
「へ?」
「それとこれが、お前の装備だ。 明日からはこのマントと服を着てくれ、逃走防止用の首輪は今着けてやる」
「あっ! いや〜〜っ!」
カチャッ
私は「ポチ」と刻まれた首輪を着けられ、ポチの部屋でエサを与えられた。
「俺の時は腐った肉だったな、気に入らなかったら捨てて、逆天号に何でも頼めよ、結構いい待遇だろ?」
「まあな…」
目の前には年代物のレトルト食品のパックが並んでいた、 賞味期限とか言う以前に、年号が西暦で、こんな形式の食べ物は、もう存在しない… あいつが出て行った後、私は興味本位で「カレー」と書かれたパックの封を開けて見た。
「うわあ
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2024 肥前のポチ