暁 〜小説投稿サイト〜
その日はいつかやって来る
06
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ックから異界に落ちて行く逆天号。 こいつは名前通り、天に逆らう醜い羽虫になるのか、それとも人間を守る妖精となるのかはこいつの心次第だ。 今は先程の言葉を信じよう…

「何だ? そんな目で見て。 何か変な事言ったか?」

「…どうして人間を守れと言った?」

「さあ? それが俺の使命だからだろうな。 面白いだろ? 誰も踏みにじりたくないアシュタロスが、部下に魂を集めさせて魔体や逆天号を作る。 踏みにじりたい俺が、人を助けて結晶にされた魂を開放する。 俺達を作った奴は、相当ひねくれてたみたいだな」

「言うなっ、訳の分からない事を言うなっ!」

 こいつはまた、私が聞きたくない事を言おうとしている。 私はまた耳を塞ぎ、聞こえないように大声を出していた。

「さあ、儀式にはちょっと人数が足りないな。 お前達も参加したいか? ああ、分かったよ」

 誰と会話している? まさかアシュタロスか? それとも…

「神無と朧の仮の体を出してくれ、前にセーブした状態でいい」

『了解』

 さっきの月神族と同じボディーが転移して来た、これもダミーか?

「しばらくこの体で我慢してくれ。 魂をロック、ボディーを起動」

『了解』

 小さな駆動音がすると、月神族が目を開き、体が動き出すと、すぐに喜びの表情を浮かべ、飛び掛るようにあいつに抱き付いた。

「ヨコシマッ、またこうやって抱き合えるなんてっ」

「私は自分でこうするの、初めてかな?」

 魂の定着までできるのか? それなら魔法の学習も必要無いだろう。 後は魂さえ召還できれば、こいつの腕で癖や記憶までプログラムして… いや、それでは満足できないんだろうな…

「しかし、雰囲気が変わってしまったな」

「嫌か?」

「いや…、そんな事はないぞ(ポッ)」

「ちょっとワルっぽくっていいかな?」

「そうか、じゃあ装備を付けてくれ」

 ガシッ!

 4セットの服と防具の内、真ん中の一つを握ったまま、月神族達が睨み合っている。

「ルシオラ役は私だ」

「いいえ、私よ」

「髪型は私と同じだ」

「神無の性格とか言葉使いって、どう見てもベスパ役よ」

「何だとっ!」

 ギャー、ギャーーーッ!

 醜い争いを始める月神族、さっきの感動的な場面も台無しだな。

「ほっといていいのか?」

「ああ、この夜、姉妹が争うのも儀式の内だ」 

 姉妹? ベスパとルシオラの事か。

 ギャー、ギャーー

「だって、私の体、ずっと貸してあげたでしょ!」

「うっ…」

 弱みを握られていた方が引いて決着がついた。

「ねえポチ、しよ」

「「何っ!」」

 ルシオラのヘッドギアを着けた
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