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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第566話】
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軍事障害物走が始まり、一斉に走り出す第一走者の女子たち。
「うわ、のほほんさん、遅っ!」
一夏の言葉に、俺は小さく睨むと楯無さんは――。
「一夏くん、大人しく見てなさい」
そう告げる楯無さんに、俺はレースへと意識を向け直した。
確かに第一走者の中では断トツに遅い、だが人には得手不得手というものがある。
一番最初に到着した子がアサルトライフルのバレル部分を取り付けてた頃に、のほほんさんは到着。
直ぐ様組み立て作業に入るのだがその手際はまさに鮮やかとしか言い様がなかった。
座金が跳んだり、バレルやスコープ位置の取り付けに失敗する子が多数居る中、のほほんさんはニコニコ笑顔で順調に組み立てていく。
大半がアサルトライフルの半分を組み立てた中、のほほんさんは完成したアサルトライフルを掲げた。
「じゃっじゃじゃーん♪」
歪みなく完成されたアサルトライフルを担ぎ、遅いながらも走っていく。
一番遅いと思われたのほほんさんのまさかの特技に第一走者達が唖然とするも、のほほんさんは何処吹く風の様に梯子を登っていった。
「う、嘘だろ。 あののほほんさんが……」
「嘘じゃねーよ。 一夏含めてのほほんさん見くびってる様だけど、あの子組み立てに関しては断トツだぜ」
そう告げる俺は、彼女の整備技術を目の当たりにしているから言えた。
確かにのほほんとしてる印象だが、整備関係は本当に凄い。
梯子を登りきったのほほんさんは危なげながらもバランスを取り、鉄骨を渡っていく。
後れをとった第一走者達も続々とアサルトライフルを組み上げていく。
鉄骨を渡りきり、ポールでゆっくり落下していくのほほんさんを他所に、焦りからか他の走者は鉄骨渡りでバランスを崩してネットに何度も落ちていた。
「本音ーッ! 頑張れよーッ!!」
思わず俺はのほほんさんを応援した――匍匐前進を続けるのほほんさん、それが終わるといよいよ実弾射撃だ。
弾丸をライフルに込めたのほほんさん――彼女は射撃が苦手だ、正直明後日の方向ばかり飛ぶが――。
「えーっと……確かひーくんから教わったのは……」
脇を締め、正門と正星を合わせ、片目を閉じたまま狙いを定めるのほほんさん。
その姿は様になっていて、まるでスナイパーの様に見えた。
引き金を引くと、発砲音が鳴り響き、放たれた弾丸は明後日に飛ぶことなくちゃんと的に命中した。
「わぁ……♪ やったー♪ ひーくんひーくん〜。 一位になったよー♪」
誰が予想できたか、大半の生徒がのほほんさん最下位だと予想してた中、断トツの一位通過だったからだ。
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