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その日はいつかやって来る
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だ、分かったな、私……

 …………………………


「なあ、これからどうやって魔界まで行くんだ?」

「本隊に合流して、まずは月に向かう、それからはチャーター機に乗って、軌道エレベーターで大西洋に降りる。 それ以降は教えられていない」

「無理だな」

「何故だ?」

「そうだな、例えば逆天号から俺を引き離して、神族が襲い掛かって来るかもな」

「本隊が警護する、我々の力を疑うのか」

「いいや、でもお前らに殺される可能性も無くは無い」

 いつの間にか賢くなった物だな、あのマヌケでも年を重ねれば狡猾になるのか?

「そんな指示は有りえない」

「上からどんな指示が出てるか、暗殺者が紛れ込んでいるかも分からない。 お前らのアクセスポイントまで逆天号で行こう」

「そ、それだけは駄目だっ、世界が崩壊するっ」

「どうしてだ? それに…」

 こいつは何か気付いている、いや、知っている。

「お前、逆天号を持って行くように、言われなかっただろ」

「そうだ、私はお前を手持ちの装備だけで連れて行くよう命令された」

「これだけの戦艦、捨てるのはおかしいと思わなかったか?」

「軍人なら命令内容に対する疑問は必要無い」

「そうか、とぼけるなら今度は俺が言ってやろうか? あそこと、あそこ、お前らの部隊が展開してる。 向こうには神族の部隊、こっちは人間の部隊、色々いるだろ」

 何故それを知っている?

「俺の目は逆天号と繋がってる、他にも目は一杯置いてあるから、使いようによっては、ヒャクメよりよく見える。 逆天号は俺を取り損ねた方の残念賞って所か? アンドロイドの技術とか、現代科学と魔法の融合のさせ方、三方で上手く分けてバランスを取るつもりだろ?」

「知らん、私のような末端の兵士が知る訳が無い」

「ふっ、軍の幹部が下らない嘘をつくなよ、アーマゲドンでも始めてやろうか?」

「やめろっ! これも多分、条約違反なのだっ! これ一隻にどんな力があるかは誰も知らない… だが人間界でこの船や、さっきのアンドロイドを使われたら、魔と神のパワーバランスは簡単に崩れる、アシュタロスの時と同じようにっ」

「嫌だ、カオスのおっさんとピートの灰にも、マリアにも指一本触れさせない。 逆天号は月神族に預けて行く、あそこなら中立だから文句は無いだろ?」

「私の一存では決められないっ、すでに合意は済んでいるはずだ、問い合わせる時間をくれっ」

 こいつには三界より、死人の灰とアンドロイドの残骸の方が大事なのか? それに私は何故こうも従順なのだ、我々にはタマモと言う人質がいるはずだぞ? こいつの掛け替えの無い女の一人が。

《ヨコシマがこの船「逆天号」の放置や譲渡を渋っている
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