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「ヨコシマーーっ!」
『ご来客です、神無様がいらっしゃいました』
月神族か? 一足遅かったようだな、奴らは中立だが地理的には一番近い。 こいつがこんな辺鄙な場所に住んでいるから、私も神族も到着が遅れたのだ。
「神無…」
「カオスが亡くなったそうだな。 何故我々に何も言わなかったのだ、こんなにやつれて可哀想に…」
私なら触るのも戸惑うような小汚い男に抱き付き、背中を撫でている月神族。 そうか、こいつが例の通い妻「新月の君」か。
「もう私と一緒に月に来い、お前ならきっと女王も許してくれる」
「月神族には私が見えないのか? そいつから離れろ、その男は私と契約した」
「何だと?」
「ああ、魔界にいるタマモを迎えに行って来る」
「嘘だっ! 魔族が約束など守るはずが無いっ!」
可愛いものだ、この男を私に奪われるとでも思っているらしい。
「ワルキューレなら大丈夫だ」
「嫌だっ、お前がどこの誰とも知れない魔族に殺されるぐらいなら、今ここで私が殺してやるっ!」
「それもいいかもな」
「心配するな、一人で行かせたりはしない、私もすぐに後を追う」
「じゃあ、だめだ」
「どうしてっ? 私では嫌なのかっ?」
「お前は死なないでくれ、頼む」
「……もう」
以前は気付かなかったが、こいつは自分の状況を知っていたのだろう。 戦友のこんな悲壮な表情は見たく無いものだ… 戦友? こいつと一緒に戦った覚えは無い。
「さあ、ラブシーンはそのぐらいにして、荷物をまとめろ」
「嫌だ、行かせないっ! 例えお前を倒してでも」
「できるのか? 小娘」
退屈な任務だが、この程度の座興は許されている。 お前の斬撃と私の抜き撃ち、どちらが早いかな?
「やめろっ、やめてくれっ、もう誰かが死ぬ所なんか見たくないっ、頼むっ、頼むから」
「分かった」
この月神族は簡単にこいつに服従するようだ。 任務を遂行する上での障害は排除しなければならないが、月神族を殺せば、こいつは私に襲い掛かって来るだろう。 いざとなれば一緒に連れて行くか。
『警告、高速の飛行物体が接近中! 人間型の物体です、撃墜しますか?』
「いや、いい」
また邪魔が入ったか。 だがこんな事をする奴は二人だけ、一人は死んだ。
『防御シールド展開、衝撃に備えて下さい』
「俺に用があるんだろ、衝突はしな…」
ドムッ!
馬鹿だ、シールドを使って減速したな、これで奴の戦闘力は無い。
『船内に侵入されました! 警戒して下さい、船内装備で迎撃の許可を!』
「会ってからでいい」
『了解』
シュウウウウウ……
「久し
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