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「姉上、女王がお待ちです」
私は銃を持ったまま玉座に案内された。 何故銃を取り上げない? 何故鎖で縛らない? その必要すら無いほど力の差があると言いたいのか?
「お帰りなさい、お母さん」
「お前に母と呼ばれるつもりは無い」
あの人の椅子にはルシオラが座っていた。 また思い出の場所が一つ汚された。
「それでは前女王、何故タマモさんを連れ帰って下さらなかったのですか?」
こいつにとって、奴は母親代わりだった。 こいつの羽根を汚い物でも触るように扱っていた私と違い、奴は白い羽根を綺麗だと言って甘やかし、誰とも争わないこいつを守ってやっていた。 きっと馬が合ったのだろう。
「奴はあの場所で待っていたかった、悪事を働けば転生したあの人が来て、倒してくれると思ったのだろう、だがあの人は来なかった」
「だから、あの場所に封印したんですね」
「そうだ」
最後にこいつが苦しむ顔を見られただけでも良しとしよう。 これを土産にして、あの人の後を追うのも良い。
「二人でもう一度、玉座を奪い返そうとは思わなかったのですか」
「それが望みだったのか? 奴とお前なら面白い勝負になっただろうな」
「違います…」
何故こいつが私を行かせたか、それはこいつには、奴を浄化して邪悪な魂ごと消滅させる事はできても、殺す事はできなかったからだ。
「さあ殺せっ、私を母だと言うのなら、この望みを叶えろっ!」
最後に与えられた戦いの場で死ぬ事も叶わず、相手を倒してしまった私には、処刑以外の道は無かった。
「では…… 前女王に対し、刑を宣告します」
そうだ、この地を治めて行くなら、それが必要な処置だ。 生かしておけば必ず周りの者が放っては置かない。 私を殺し、歯向かった兄弟姉妹も全て殺せ。 魔界の部族を統治するとはそう言う事だ。
「魔王が復活する時まで、同じ棺で封印… その呪いは魔王自身の手でなければ解呪不能とします」
「何っ!」
こいつは私を侮辱した。 負けた者の命を奪わず、恥を晒し続けろと言うのだ。 馬鹿だ、本当に馬鹿な娘を育ててしまった。 何故産まれてすぐに殺しておかなかったのだ。
「甘いっ、甘すぎるぞっ! 私もっ、お前の兄弟も全て殺せっ! それがこの世界の掟だっ!」
「いえ… 魔王復活までは、前女王との再戦を楽しみに待つ事にします… それまでは兄弟達と血の抗争を続けますのでご安心下さい。 次は魔界全土を戦場にして楽しみたい物です…」
よく言った。 だが声が震えているのは何故だ? こいつにこんな気の効いた話が言えるはずが無い。 きっとジークが吹き込んだセリフだろう、「母を殺さずに済む方法はありませんか?」と聞かれ、作られた言葉だ。
「では
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