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その日はいつかやって来る
02
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だ解いていない」

 狐の争奪戦では、こいつや神族より先に我々が手を打った。 こいつの情報を知り尽くしていたジークの手柄だ。

「タマモ… 会わせてくれっ、お願いだっ、この通りっ、何でもするっ! タマモ〜〜ッ!」

 床に額を擦り付けるようにして土下座する哀れな人間。 こんな男が人間を滅ぼせる力を持っていて、我々や神族にも影響を及ぼせるとは、とても考えられない。

「では魔界に来い。 お前がカオスから何を学んだかは知らないが、魔法とは我々魔族の法術なのだ。 何も禁止されていない、死人を復活させたからと言って、神族に罰せられる事も無い」

「え……?」

「そうだ、何かに命じられるように、何度も自殺を繰り返す事も無いし、完全なはずの体が崩れ落ちる事も無い」

「うわああああっ! 嫌だっ、もう嫌だ〜〜〜〜っ!」


 余程辛かったのだろう、こいつの周りのアンドロイドには、親友や壁の写真の4人はいない。 ある程度距離を置いていた神父や隣の母娘、金髪の魔女、たまに起動する自分の母親や父親辺りまでだ。

 それぞれ役割が決まっていて、身の回りの世話や「近所の食堂」をさせていたようだが、説教や指導しかしない神父は神族の作為を感じる。

「さあ、準備をしろっ、持ち物は携帯できる武器と装備だけだ、食料や住居はこちらで用意する」

「この家は? マリアは?」

「置いて行け、生き延びたなら後で取りに来ればいい」

「……わかった」

 契約完了だ、もうお前の命は私の物だ。

「ヨコシマーー!」

『ご来客です』

 来たか、神族か…?

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