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姉上、寝所へ」
「もう私を姉と呼ぶな」
「はい…」
私から目をそらすなジーク、お前がいくらその女を欲しがっても、決して振り向きはしない。 力で劣るお前には手の届かない「魔王」なのだからな。
「では、母… 前女王を棺へ…」
「触るな」
侍女達を追い払い、あの人の隣に横たわると、赤く透明な蓋が乗せられた。 重い蓋を通して、あいつの気味の悪い祈りが聞こえて来る。
「……その良き伴侶と共に眠り、古き良き時代の夢の中で、ささくれた心に再び安らぎが訪れん事を願う… エイメンッ!」
バキッ!
宝石の蓋に封印がかけられた。 お笑いだ、末代までの恥だ。 魔王の娘が白魔術を使うなど… だが我らとの戦いには最高の武器だ…
夢を見ていた… あの人の隣で夢を見ていた…… 私もタマモのように夢を見るのか? 百年にも満たない幸せだった時間。私を堕落させた甘く切ない夢を…………
GS美神から約千年後
パチッ、カチカチッ、キュッキュッキュ
「さあ、今度こそ動いてくれよっ、頼む、頼むぞっ」
カチッ、ウィイイイイイイイッ、ヒュウウン、ストン
「何で動かないんだよっ! 配線も直したじゃないかっ、バッテリーだって変えたっ! 部品だってどこも壊れてなじゃないかっ、頼むから動いてくれよっ! マリアーーーーーーッ!!」
無様だ。 報告によるとドクターカオスなる男が死亡してから3日間、ああやって泣きながら、飲まず食わずで機械人形を動かそうとしているらしい。
《状況開始》
色々な陣営で監視されている奴のために、古い顔馴染みの私が召集された。 間違いなくあちらでも同じ事をしているだろう。 何しろ奴らは「慈悲深い」そうだからな。
この家に春桐真奈美が訪ねるのは違反では無い、哀れな旧友を救ってやろうと言うのだから、奴らに感謝されてもいいぐらいだ。
『いらっしゃいませ、春桐様。 現在、横島は多忙なため、応接間でお待ち下さい。 お飲み物は何に致しましょう?』
「不要だ、本人に会いたい」
『かしこまりました』
タッチの差で我々の勝ちだ。 小竜姫もヒャクメも人間界にはいない、果たして間に合うかな?
ヒュンッ
ゲートが消えて中に案内されると、玄関の異様な装飾が目に入った。 正面の壁一面に巨大な全体写真が焼き付けられている… 南極から帰った時の物だろう。
「ふっ、ほとんど等身大だな」
通路にもミカミ親子、眼鏡を掛けた神父、魔装した男、幽霊娘。 ん? 神族は写真に写っていいのか? 絵かも知れない 私とジーク? きっと絵だ。
天井にまで貼ってある… そう言えば先ほどからすれ違うアンドロイド達も、どこかで見たような顔ばか
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