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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第565話】
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。 せっかく良いところだったのに……」


 トロンとした瞳で俺を見つめてきた美冬、だが呼ばれたからには行かなければいけなかった。


「ん……しょ。 じゃあお兄ちゃん、行ってくるね?」

「あ、あぁ」


 俺の額に口付けを落とし、美冬は駆け足でグラウンドへと向かった。

 俺も乱れた体操着を整えるとその場を後にする。

 確かに準備が出来たらしく、パッと見障害物走の様に見えた。

 実況席へと戻ると、一夏が話し掛けてきた。


「ヒルト、何処に行ってたんだ?」

「……飲み物飲みに行ってただけだ」

「ふーん。 競技終わる度に抜けてるからさ、何してんのかなって思ったけど」


 パイプ椅子に背を預け、そう言う一夏。

 何をしてたとか逐一言えるはずがない――てかしてた事を言ったら社会的にアウトだ。

 とりあえず俺も椅子に座ると、楯無さんが俺の顔を覗き込んできた。


「せっかくだからヒルトくん、次は君が実況する?」

「え? い、いいですって、俺は実況向きじゃないんだし」

「あら、それは残念ね。 ……じゃあ、アシスタントよろしくね?」


 ウインクする楯無さんに、ドキッとする――そして、楯無さんはマイクを握ると――。


「さあさあ、続いての競技は軍事障害物走です!」


 グラウンドに響く楯無さんの透き通る声、案の定次の競技は障害物走だが――。


「楯無さん、障害物走の前に何で軍事ってついてるんですか?」

「うふふ。 それは簡単よ、IS学園の障害物走は自衛隊や各国でも取り入れられてる訓練を模したものよ! ヒルトくん、あの机を御覧なさい!」


 指差す先にある机を見るや、何やら分解された小銃が並んでいた。


「先ずは彼処でアサルトライフルの組み立てを行い、そして組み立てたライフルを担いであの梯子を登ってもらいます!」


 更に先を指差す楯無さん、三メートルほどの高さがある梯子を登った先には鉄骨の橋が向こう側まで五メートル程延びていた。


「あの鉄骨が見えるかしら? 落ちてもネットはあるけど、鉄骨には痺れる程度の電流を流してるからね」


 ……何か何処かのビルで繰り広げられてそうな内容だな。

 更に楯無さんは先を指差す。


「鉄骨を過ぎたらポールで一気に地上に落下して着地、後は目の前の網を匍匐前進で抜け、その先で実弾射撃って訳」


 かいつまむと、銃を組み立て、障害抜けた先で実弾射撃するって訳だ。

 明らかに運動会ではないが、今さら突っ込むのも疲れるので皆の健闘を祈ることにした。


「あ、やほー、ひーくん〜。 みてみてー」


 両手でひらひらと手を振るのほほんさ
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