目覚めない男
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しれないから、一応気をつけてはおいて」
「うん。わかった」
次の見回りのために睡眠を取ろうと医務室から出ていく。すると、そこにはウェンディと同じグループのリオンさんが腕組みをして待っていた。
「レオンはまだ目覚めないか」
「はい・・・」
彼が復帰すれば戦力的にかなり優位性を得ることはできる。でも、敵が攻めてくるまで残り一週間。それまでに目覚めるかと問われると、首を縦には振れない状況である。
「そうか・・・」
しばらく何かを考えているリオンさんだったが、その考えがまとまったらしく、ゆっくりと顔を上げる。
「レオンを医務室から運び出すぞ」
「え?」
予想だにしなかった言葉に耳を疑う。彼は困惑している俺に対し、その理由を説明し始める。
「このままあいつが起きなければ、安全地帯に運ばなければならないは間違いない。ならば早めに動かしておいた方が、敵にレオンがいないことを悟られないだろう」
「なるほど」
確かに眠っている彼をその場に残していたら、向こうが攻めてきた時、万が一にも城の中に雪崩れ込まれたら、彼を人質に取られてシャレにならないことになるかもしれない。
そういうことになったので、リオンさんとローグさんがお城の屋根裏部屋に運んでいってくれることになった。その間に俺は睡眠を取ると、見回りの時間になったので、カグラさんに叩き起こされて循環へと回ることになった。
「おはようございます!!皆様」
「ユキノ!!」
部屋からカグラさんと共に出てくると、そこにはグラシアンさんと一緒に、ユキノさんが待っていた。
「どうしたんですか?」
「体は大丈夫なのか?」
負傷して戦線から離れていた人物の登場にうれしいような、心配なような感情が出てくる。
「はい!!シリル様たちのおかげで元気になりました」
「よかったぁ」
顔色もいいし、体調も問題なくなっているらしい。なので、これからの一週間は見回りの時間を短くし、疲労回復を図ろうということで、人数の多かったB、Cグループを三つに分解し、四つのグループに復帰した面々を割り振ることになったらしい。
「無理はするなよ、ユキノ」
「お前もだぞ、グラシアン」
事情がわかったところで見回りに入ろうとしたその時、後ろから声をかけられる。
「カグラ、シリルを少し貸してもらえないか?」
「あぁ、別に構わないが」
声をかけてきたのはリオンさんだった。彼は俺に何か用事があるようで、先に三人に見回りに出ているように伝える。
「どうしたんですか?リオンさん」
「あぁ。お前に頼みたいことがあってな」
ずいぶんと改まった様子の彼を見て、こちらも緊張感が高まってくる。彼が頼みごとがああるというだけで珍しいのに、こんなに真剣だと嫌
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