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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
目覚めない男
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見回りを始めて早一週間が経った。今俺たちのグループは休憩の時間に入っている。

「ちょっとお嬢とユキノの様子見てきます」
「あぁ、よろしく頼む」

見回りの時間が終わったと同時に医務室へと走り出すグラシアンさん。彼のギルドでは二人のメンバーが負傷者となっているため、彼はこの時間を利用して二人の様子をしに行っているらしい。

「昔のあいつらからでは、想像できんことだがな」
「そういえば・・・」

以前の剣咬の虎(セイバートゥース)は、マスターの意向もあって実力主義、弱者は不要といったところがあった。その結果仲間想いのナツさんの逆鱗に触れて大騒ぎになったんだけど、今ではスティングさんがマスターになったこともあり、仲間想いで和気藹々としたギルドの雰囲気になってきている。

「俺も医務室行ってきます。もしかしたら起きてる人がいるかもしれないですし」
「ならば私も行っておこう。ユキノのことが気になる」

大魔闘演武での戦いでユキノさんと仲良くなったというカグラさんは、負傷した彼女を心配しているようだ。なので二人で医務室に行ってみることにした。

コンコンっガチャッ

「具合はどうですか?」
「シリル様、カグラ様」

ノックしてから中に入ると、そこでは頭に包帯を巻いているユキノさんが迎えてくれた。

「ユキノさん!?起きて大丈夫なんですか!?」

昨日までは意識不明でずっと眠っていたのに、今はベッドの上ではあるが、上体を起こしている。

「はい!!シェリア様に診てもらいましたので」

各グループにいる治癒魔法の使い手たちが、代わり代り治癒魔法をかけていたのだが、その効果がわずかながらにでも出てきているらしい。

「ミネルバ様も先程まで起きていたのですが・・・」

今は寝息を立てているが、ミネルバさんもさっきまでは起きていたらしい。昨日までに一夜さんたち天馬の面々も目覚め始めていたし、全員が起きるのも時間の問題だな。

「起きてはいるが、まだ戦うまではいかんだろうな」
「申し訳ありません」

徐々に起きている人たちは現れたけど、みんなまだ万全な状態じゃない。向こうが攻めてくるまで期間はあるけど、それまでに回復するかも微妙なところだろう。

「頭数が足りないから、もし間に合うようなら王国兵と一緒に雑魚の一掃をやってもらおう。それなら大きな負担もかからんだろう」
「そうですね」

基本的な作戦は変えずに、戦える人にも手伝ってもらえるようにしようと話していると、ふと一つの疑問が浮かんでくる。

「あれ?そういえばグラシアンさんは?」

先に医務室に向かったはずのグラシアンさんが、この場にいない。

「グラシアン様ですか?こちらには来ていらしてませんが」
「「え?」」


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