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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
15.再び
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その表示を見てシュウはあることを不意に思い出した。それはシュウがあの世界で積み重ねてきた経験値の数値とほとんど一致していた。
「まさか、SAOのステータスと同じ!? どうなってるんだ。ここは、SAOじゃないはずだろ」
何が何だかわからずにアイテム欄も確認してみる。そこはやはりほとんど全てのアイテムが意味不明の羅列の漢字、数字、記号となっており押してもオブジェクト化することはなかった。
全てのアイテムが全滅かと諦め掛けていたシュウが手を止めかけた時、それは現れた。
───片手用槍《月音の槍》
身体に電流が走ったような衝撃だった。全てのアイテムが無意味だと思っていた。
それなのに彼女のそれはしっかりとした形を持ってここにある。
「……ミサキ」
目にじわっと温かいものがこみ上げてくるが必死にこらえる。数滴が頬を伝いそれを拭い取り、それをオブジェクト化する。片手用槍にしては少し長めで、穂先が満月の光のように輝いている。月に掲げるとより一層その輝きが増し、思わず見惚れてしまうほどだ。
そこからとりあえず月音の槍以外のアイテムを少し惜しみながらも全て削除する。下手にバグった名称のアイテムを持っていてGMに見つかっても面倒なことになるしな。
「ふぅ〜、とりあえず、キリトを捜すか」
このバグった状況を一人で考え込んでもシュウでは理解に苦しむ。ならば、早い所キリトを探し出して相談してみるのが今できる最善の策なはずだ。
確実にキリトもこの世界に来てるはずだ。もしかしたらシュウと同じ条件下の彼ならば同じようにホームタウンではなくどこかのマップに落とされているかもしれない。
背中に意識を集中させるとそこに、漆黒の翅が出現する。
「これが翅か……」
確か左手のコントローラがなんたらとかチュートリアルで言ってた気がするがさっぱり使い方がわからない。
とりあえず背中の翅を動かそうと仮想の筋肉を動かすイメージをしてみると、
「うおぉ! 浮いた!」
そしてちょっとずつ意識を前進へと頭を切り替えるとそれに応えてくれるようにゆっくりだが前進を始める。
「なるほどね。なんとなく操縦法はわかった気がす……るっ!!?」
調子に乗ったのが間違いだった。わけもわからず、高速で移動を始めるシュウの体。
止まり方も知らない。もちろんブレーキなどという気が効いたものなどの存在も知らない。止まろうにも木々を避けるのだけで精一杯だ。
「誰か止めてくれぇぇ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ……はぁ……はぁ」
リーファの後ろに逃げ道はなかった。前方には、
炎妖精族
(
サラマンダー
)
が三人。対するリーファは一人。圧倒的に不利な状況だ。
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