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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
15.再び
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「それでも、世界樹の一番下の枝にさえ届かなかったが、何枚かの写真を撮った。その一枚に奇妙なものが写っていた」
エギルが再び、カウンターの下から紙を取り出す。そこに映されていたのは、金色の鳥籠。まるで何かを閉じ込めて置くような嫌な連想をさせる。
「鳥籠……?」
「その鳥籠を解像度ギリギリまで引き伸ばしたのが、これってわけだ」
エギルが最初の紙を指差す。
「でも、なんでアスナがこんなところに?」
和人はパッケージの裏を今一度確認すると一瞬動きが止まった。
「《レクト・プログレス》……?」
和人は顔を明らかに強張らせている。何か心当たりがあるのだろうか。集也はそのことを問い詰めようとする。だが、それは言葉になる前に飲み込む。ここで問いただしたところで和人は口を割らない。
こいつはそういう男だ。自分一人で抱え込んでしまう。そんな彼を助けたい。彼の力になりたい。
「エギル……このソフト、貰っていっていいか?」
「構わんが、行く気なのか?」
エギルは気遣わしげな表情を浮かべる。
「この目で確かめる」
そして和人はニヤリと笑って、
「死んでもいいゲームなんてヌルすぎるぜ」
それが何かを振り払った無理矢理作り出した笑みだということはすぐに理解できた。
「……ハードを買わなくちゃな」
「ナーヴギアで動くぞ。アミュスフィアはナーヴギアのセキュリティ強化版にすぎない」
「そりゃ助かる」
和人はコーヒーを一気に飲み干すと立ち上がる。
「助け出せよ、アスナを」
エギルが拳を突き出す。
「そうしなきゃ、俺たちの戦いは終わらねぇ」
「いつかここでオフをやろう」
拳をぶつけ合うと和人は店を後にした。
一人カウンターに残された集也はコーヒーカップを手に持ったまま固まっていた。
アスナを助けに行きたい。しかし、再びあの世界にシュウが行ってもいいのか?
そんな権利があるのか?
そんな葛藤で動けずにいる集也。それをわかってかエギルがカウンターの下から何かを取り出して集也の前に置く。
「迷ってるなら行けよな」
それは先ほどと同じパッケージ。妖精たちの国への招待状。
「いつもなら迷わずキリトと一緒にいくら無謀とわかっていても突っ込んでくのがお前だろうが」
そうだった。シュウならばそうするはずだ。
かつての相棒の背中を守りため、その大切な人を救うために自らの命すらもかけることができた。
───もう一度、その力が貸してくれるか。
「そうだな」
集也は持っていたコーヒーを一気に飲み干すとカウンターの上のあの世界への招待状を握りしめる。
「あのバカは一人で突っ走って
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