暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
シンボルを賭けたバトル!
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させ体全体を鋭くしたガブリアスは怒りをぶちまけるような咆哮と共に刃を振るった。影の爪を弾き飛ばすが、衝撃で体は押される。なりふり構わず前に進もうとするが刃に変化して速さは失われたのか影に阻まれて進めない。だがダイバに焦りはなく、器用に三つのボールを取り出す。

「……今の挑発を後悔するといいよ。出てこいゲンガー。サーナイト。ガルーラ」
「一気に数を増やしてきた……来るのね」
「これが君にもチャンピオンにも出来ない境地。さあ、僕の魂が欲しければ望みを叶える力になれ! 守るのが使命だというなら力を絞り尽くせ!」

 ゲンガーとサーナイトの体が光に包まれていく。ゲンガーの下半身が地面ではなく異空間に沈み、腕や体が呪詛で覆われて刺々しくなる。サーナイトは逆に腕に薄いロンググローブを纏い胸には紅いリボンのような器官、足はまるでウェディングドレスのような丸く広がった姿になる。だがまだ終わらない。

「ガルーラ、子供の活躍が喜びなら全力で支えてみせろ! メガシンカッ!!」
「合計四体のメガシンカ!?」

 袋から出てきて張り切る子供のガルーラを微笑ましいと思う暇もない。砂嵐が時間と共に掻き消え見えたのは、一体でも恐ろしい力を持つポケモン達のシンカした姿。四体ものポケモンがメガシンカの状態で並ぶなど見たことがない。まずポケモンバトルで同時にそれだけ繰り出すことも珍しいが、メガシンカとはトレーナーにも負荷をかけるものなのだ。ジェムは二体同時にメガシンカを使うだけでもかなり疲れる。四体同時などすれば気を失ってしまうかもしれない。ダイバは人生のほとんどをポケモンバトルに費やしてきた基礎体力があるとはいえ流石に堪えるのか、額の汗をぬぐった後うっとおしいとばかりにずっと被っていたパーカーと帽子を外す。ずっと隠れていた赤色の坊ちゃん刈りが、風に吹かれて揺れた。ジェムやドラコ、アルカが少し驚く。

「格好悪いから人に見せたくなかったけど……認めるよ、ここまでしないと勝てないって」
「格好悪いわけないわ。それだけ本気で勝負に挑むダイバ君は……とっても素敵よ」

 今まで戦ってきた誰にも扱うことのできない力を十分に扱える自信があるのだろう、ダイバの表情には疲労こそあれど不安や弱気の色は全くない。ジェムはそんな彼を、素直に男の子としてかっこいいと思った。ダイバが一瞬黙ったが、すぐに指示を出す。

「……もう惑わされない。サーナイト、『ミストフィールド』」
「ペタペタ下がって。キュキュ、苦しいところばかり任せてごめんね?」

 サーナイトが両腕を合わせて祈るようなポーズを取ると、胸の紅い器官から力が発生して地面を桃色の不思議な力が包んだ。『逆鱗』を使っていたガブリアスが正気に戻り、本来発生したはずの混乱を防ぐ。その間にジェムはジ
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