暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第49話「襲撃」
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ある。
 しかし、四季と春華のコンビネーションの前に、十全に発揮できていなかった。

「どうした?その程度ではないだろう。」

「っ...!」

 四季の言葉に、再び千冬は斬りかかる。
 最初こそ殺してしまわないように加減はしていたが、それももうない。
 最低限、ブレードの刃の方で斬ってしまわないようにするだけだ。
 春華の放つ非殺傷に改造された弾丸を躱しつつ、千冬は四季に肉薄する。

「はぁっ!!」

「っ!はっ!」

「足元ご注意よー?」

「くっ...!」

 鍔迫り合い、そこへ春華の弾丸が撃ち込まれる。
 それをすぐに躱し、千冬は間合いを取る。

 ...千冬は徐々に、動きが荒くなっていた。
 それは両親である二人が現れた事による動揺か、桜に逃げられる事からか。
 少なくとも、千冬に余裕は一切なくなっていた。

「ちっ....!」

「そらよっ!」

「っ....!」

 銃弾を躱した所へ四季の斬撃が迫り、千冬はさらに後退させられる。

「くっ....!」

 このままでは桜に逃げられる。
 そう思った千冬の所へ....。



「....織斑先生....?」

 ...ユーリがやってきた。

「なっ!?エーベルヴァイン!?」

「おっと、余所見していいのかい?」

「しまっ...!?」

 ユーリがやってきた事で、千冬は僅かな隙を晒してしまう。
 春華の銃弾で退路を断たれ、四季の一閃によって吹き飛ばされてしまう。

「がはっ!?」

「四季さん?春華さん?どうして、ここに....?」

「っ....!?」

 壁に叩きつけられた千冬は、自分の両親とユーリが知り合いな事に驚く。

「今回の事件の一端を担ってるからねー。」

「つまり、襲撃者の一人って訳。」

「....そうですか...。」

 二人の言葉にユーリは然程驚かなかった。
 襲撃されていて、千冬が戦闘している時点で、“そっち側”なのは分かっていたからだ。

「....桜さんはどこですか?」

「待てエーベルヴァイン!あいつの狙いはお前だ...!行くな!」

 続いて尋ねた内容に、千冬は止めようとする。

「この先を真っすぐよ。」

「...ありがとうございます。」

「エーベルヴァイン!」

 そんな制止を無視し、ユーリは桜の下へ向かおうとする。
 ふと、ユーリは振り返り、憂いを帯びた顔で言った。

「...すみません、織斑先生。...耐えられないんです。もう....。」

「っ......。」

 桜の失踪。周囲からの敵意の視線。
 ...それらは、ユーリの心を容赦なく蝕んでいた。
 故に、もう学園にいる
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