第22話<潜伏と青空>
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「せめて……瑞雲でもあれば」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
第22話 <潜伏と青空>(改2)
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路地で待機する私たち。さすがに、ちょっと暑苦しい。
周りを警戒しながら日向が言う。
「ここで戦車が破壊されたことは敵も直ぐに分かるだろう。我々の撤収部隊が来るまで、およそ30分。恐らく敵は現在、旧市街に展開している可能性が高いから最悪、撤収部隊よりも先に我々が敵に発見される可能性は高い」
「そうだな……お前の電探では敵の状況は索敵出来ないのか?」
私の言葉に彼女は浮かない表情で振り返った。
「ここは路地で周りは倉庫です。おまけに目の前は戦車で……」
「そうか」
遮蔽物がない海上とは違って、今私たちがいる路地や旧市街は複雑に入り組んだ地上構造物だらけだ。日向の電探では、ほとんど役に立たないわけだ。
「せめて……瑞雲でもあれば」
日向は悔しそうに言った。瑞雲は彼女の索敵機だ。
しかし今日は墓参前提だったので当然、連れて来ていない。
「寛代も夕立も居るからと妖精を休ませてしまった……私の失態だ」
悔しそうな彼女に私は声をかけた。
「まさか、こうなるとは誰も思っていなかったからな。仕方ないことだ」
何かを言いかけた彼女はハッとしたように言った。
「あの軍用車も早く隠しましょう」
「そうだな」
彼女は続ける。
「車は撤収作戦には貴重な足です。攻撃されたら身も蓋もない」
日向は直ぐにでも車の移動のために路地から出て行きそうな勢いだったので私は慌てて言った。
「さっきも言ったが、埠頭に車を隠せるような場所はないぞ」
「大丈夫ぅ? 日向」
夕立も心配そうに声をかける。
日向は応える。
「いずれ敵が来るとしても少しでも早いほうが良い。それに……」
彼女は続けて岸壁を見渡した。
「多少でも路地を出たほうが電探での索敵が容易になるしな」
日向は改めて私の方に向き直ると直立不動の姿勢をとって敬礼した。
「司令、このまま座しては待てません。どうか斥候と車両の安全確保の任を、お命じ下さい」
寛代を抱きながら私は言った。
「分かった、行け」
「了解!」
敬礼して路地を出ようとする彼女を夕立が止めた。
「日向、これ」
夕立は使える片手でホルスターから拳銃を取り出すと日向に差し出した。
「ありがとう」
日向は拳銃を受け取ると安全装置を確認してから懐に入れた。
「さすがに刀では飛び道具(戦車)相手に太刀打ち出来ないな」
冗談めいたことを呟きながら彼女は外へ出た。
「日向……頑張って」
夕立
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