黒衣を狙いし紅の剣製 01
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る。
ダメならダメだとはっきり言える方なだけにこのように迷うのは珍しい。仕事の都合ですぐには無理な場合もそのように言うはずだが……
「……確証があるわけじゃないんだが、最近誰かに見られてる気がするんだ」
「え……そ、それってストーカーですか!?」
「まあ……世間的に認知されてきているだけにそのような者が出てきてもおかしくはありませんね。技術を盗もうとしているスパイという線も考えられますが」
「ああ……ただ個人的にそういうのとは違う気がするんだが。何というか、技術云々より俺個人に対して何かあるような……そういう視線をたまに感じる」
ふむ……。
ショウは長年に渡って剣術や体術を鍛錬してきた。それ故に人の視線や気配には敏感なところがある。それ故に安易に片づけていいものではないだろう。
しかし、現状では確証がないのも事実。
この漠然とした状況では管理局といった組織も動けんだろうし、仮にそのような動きを取れば何が起こるか分からない。
「無視してよい問題ではないが……現状は様子を見る他にあるまい。勘違いということもありえるのだからな」
「そうですね。ただ各々気を付けておいた方が良いでしょう。仮にその人物が居るとして、ショウだけを観察しているとは限りませんので」
「とはいえ、俺を狙っている可能性が高いのは事実だ。だからお前らと必要以上の接触は避ける。まあ今後の予定的に仕事で顔を合わせることは多いわけだが」
ショウが我らを巻き込みたくないのは分かるが……我らとしてはショウだけ狙われるのも嫌なものだ。
しかし、この中で最も戦闘に慣れているのはショウだ。
シュテルやレヴィは仕事でデバイスを扱うことがあるからまだマシだろうが、研究中心のユーリや魔法から離れて過ごしてきた我は足手まといだろう。故に……最善を考えるならばショウの言うとおりにするしかあるまい。
「ディアーチェ、どうかお気を付けて。私達はまだ働く場所が場所なので襲撃されたとしても対抗する手段がありますが、ここには何もありませんので。……念のため今度あなたのデバイスをお持ちします」
「我が狙われる可能性は低い気もするが……備えておいて損はないからな。しかし、貴様らも気を付けるのだぞ。特に……」
「言われなくても分かってるさ。迷惑だとは思うが万が一が起きても困るしな。だからフェイトやはやてに連絡を入れておくよ」
人からすればそこまでする必要はないと思うかもしれん。だが……事件というものはある日突発的に起こるものだ。
それに……ショウは普通の魔導師ではない。
人の視線や気配に敏感なことはもちろんだが、魔導師だけでなく技術者としても若いながらも成功を収めている。また親であるレーネ殿は技術者で知らぬ者はいないであろう天才。妬みや恨みがある人間は
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