黒衣を狙いし紅の剣製 01
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からショウに懐いておったからな……いや、この言い方はユーリに失礼か。
あの小さかったユーリも今は一人前の女性だ。そしておそらくあやつに想いを寄せておるだろう。まあ独占欲がないのか、みんなで仲良くという感じもしなくはないのだが。
実際のところどうであろうな……この手の話を本人に聞くのも抵抗があるし、あやつに聞くのは筋違いな気がする。かといって話題的にシュテルやレヴィでは頼りにならんだろうし……。
消去法で思い浮かぶのはあやつのユニゾンデバイスであるセイだ。
我の記憶が正しければ、あやつのデバイス達はシュテルやユーリと仕事をする日も多いと聞く。ショウが参加できぬ日にフォローで入っていたと聞いているが、今では並の技術者よりも知識を有しておるだろう。ユーリと仕事をすることが多いのはセイであったはずなので、機会があればゆっくり話してみたいものだ。
「ボクも魔導師の仕事もしようかな……そのへんの魔導師より強い自信あるし。魔導師になればショウと一緒に仕事できるかもしれないから」
「決めるのはレヴィ自身ですが、ショウと一緒に居たいという意味で言うならオススメはしません。魔導師は常に人手不足。しかもレヴィは資質的に言えば高ランク認定されるでしょう。ショウも高ランクの魔導師ですから別の仕事をさせられる可能性が高いです」
「それに今でもレヴィはテストマスターや研究のお仕事してるんです。魔導師のお仕事まで始めたらお休みが少なくなってショウさんと一緒に居れる日も減っちゃいますよ」
「うぅ……よし、決めた! ボクは魔導師なんかにならない。今のお仕事を頑張るよ!」
世の中のためを考えるとひとりでも優秀な魔導師が居たほうがいいのだが……。
まあ我の立場からすれば正直魔導師の仕事はしてほしくはない。人のためになる仕事だと理解してはいるが、常に危険と隣り合わせの仕事でもある。現状で魔導師として活動しておるあやつらも何度も怪我をしてきた。
信念を持って仕事をしておるからやめろとは言えぬが……心配事がこれ以上増えるのは正直に言って嫌なものだ。
それに……我の周りには心配を掛けたくないから黙っておる者も多いからな。待つ方からすれば、あとで報告される方が嫌だというのに。心配しかできぬ身なのだから心配くらいさせてくれても良いだろう。
「レヴィは本当にショウさんが好きなんですね」
「うん! でもそういうユーリだってショウのこと好きなくせに〜」
「え……えっと、まあそうですけど」
だらけきった顔のレヴィと恥ずかしそうに赤面しているユーリ。
これを見てふたりが恋敵と思う人間がどれだけいるだろうか。正直我には恋敵には見えん。ユーリはともかく、レヴィが同じ土俵に居るようには見えんからだ。
まあ……レヴィらしいといえばレヴィらしいのだが。
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