57.過去とは、現在への土台であり、未来への教科書でもある。過去に学べ。
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、ところでリュー君は…いつ、その妖精の国に行ってきたの?」
流石に恥ずかしかったのだろう…フレアさんが慌てて話題を変えてきた。
「あ、あぁ…え〜と…あれは…フレアさんに黄金の宝玉を渡す前まで、妖精の国に居たんだ!」
「じゃぁ…あの桜の枝は、妖精の国から持ち帰った物なのかしら?」
「桜?」
何か持ち帰ったっけ?
「ちょっと…忘れちゃったの?桜の枝を育ててって、渡してくれたじゃない。教会の横に咲いている桜は、その時の桜よ」
「そうだ!!ポワン様が誓いの証ってくれたんだ!」
俺は慌てて桜の元へかけだした。
桜の木へ触れ、心の底から祈る。
ポワン様、困った事があったら力になるって言ったよね!
今困ってます!
すんごく困ってます!
何故だか困ってます!
タチケテ〜
<妖精の国>
俺の祈りが通じたのか、元からこうしたシステムなのか…よく分からないが、気付いたらポワン様の前に立っていた。
「お久しぶりです、リュカ」
相変わらず可愛いなぁ…
歳とってないんじゃね?
あっと…そうじゃねぇーや!
「あの、ポワン様!」
「分かっております。ゴールドオーブの事でしょう」
「そうです!これです!」
俺は懐から光る宝玉を取り出す。
「リュカ…大変申し訳ありませんが、今の我々には天空城を浮上させる程の魔力を持っている者はおりません」
何なの今日!
無駄に胸くそ悪いビジョン見て、無駄にラインハットまで行って、無駄に財宝の山を漁って、無駄に壁をくすぐって、無駄にポワン様に泣き付いて…
「でもリュカ。方法はあります」
出た!
また無駄へ誘う魔法の言葉。
「大変危険ではありますが、これしか方法がありません」
うん。無駄でもいいから、危険な事は止めましょう!
「ポワン様!みんなで一緒に違う方法を模索しましょ!大丈夫!きっと、良い方法が見つかりますよ!」
安全第一!
「いえ!これしか方法はありません!今からリュカ…貴方を過去の世界へ送ります。ですが気を付けて下さい。人々にこれから起こる未来の事を教えてはなりません」
「………何で?」
「過去が変わってしまうと、現在の貴方の存在が消えてしまうかもしれないからです。例え不幸な事でも、起こらなければ今の貴方は存在しないのです」
何だかよく分からないけど、余計な事しなければいいんだよね!?
「要はゴールドオーブさえ、すり替えてくれば良いんでしょ?楽勝ッスよ!」
そうさ!
あの男より先にゴールドオーブをすり替えれば良いんだから!
「いいですか!気を抜かないで下さい。とても辛く、危険な任務ですよ!」
も〜…ポワン様は大袈裟だなぁ〜!
過去の俺からゴールドオーブをくすねて来れば良いだけじゃん!
今までで一番、楽勝なミッションだよ!
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