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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
あとがき
あとがき
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無いのか模索するはずです。

 ルーカス氏は、個としては高い戦闘能力を有していることになっています。
 最後の戦いを人間に挑み、後世に残るような戦いぶりを見せることは、恐らく可能だったでしょう。

 ですが、魔族が『詰み』という状態になったときに彼が最後に出した結論は、玉砕して死に花を咲かせることではありませんでした。
 彼が選んだのは、種の保存。『生き延びる』ということでございました。

 前述の映画のセリフに影響されて本作を書いたわけではありませんが、彼の選択は生き物として決して不自然なものではないと考えています。



 次に、マッサージ師についても触れさせて頂きます。

 本作の主人公マコト氏のお仕事である『マッサージ師(あん摩マッサージ指圧師)』というものも、現在職業としては絶滅危惧種になっています。
 街を歩いても、「指圧」や「マッサージ」という看板を見ることが少なくなりました。
 どんどん廃業に追い込まれてしまっているからですね。

 あん摩マッサージ指圧師は医療系の国家資格であり、専門学校で三年の勉強をしたのちに国家試験を受け、合格した者だけが免許を取得できます。

 学費が決して安くなく、三年間で300〜500万円ほどのお金がかかること。国家資格を取得し医療としての施術所を構えると、広告の制限など営業上の不利があること――
 それらは本作に書かれている通りです。

 そんな中、法の縛りを受けにくいリラクゼーション店、整体院などの非国家資格系の店の台頭により、
『三年の時間と多額のお金をかけてあん摩マッサージ指圧師になっても、ほとんど生き残れない』
 というような状況になっているのも、これまた本作に書かれている通りです。

 本作のマコト氏は、もろにそのパターンに当てはまってしまっております。

 彼は残念ながら日本では生き延びる道を見つけることができませんでした。
 ですが彼の場合、道を見つける努力がそもそも足りておらず、本当に道がなかったのかどうかはわからなかったわけであります。
 もしかしたら何かあったのかもしれません。

 いろいろと甘さや淡泊さがあったマコト氏ですが、ルーカス氏と一緒に転戦することによって、
『最後まで足掻くことが大切』
 ということはよく理解したと思います。
 きっと新天地では粘りのある新生マコト氏の活躍が見られることでしょう。

 そして二度にわたる種族滅亡の危機を逃れた魔族も、今よりも耐性のある生物として、たくましく新天地で生き延びていくに違いありません。

 続編を書かせていただくことになるかどうかはわかりませんが、もしその機会がありましたら、また彼らを温かく応援してくだされば作者として嬉しく思います。



 さて、では
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