第四十話 神戸に帰ってその三
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「想像もしていなかった」
「私もよ」
「本当になってくるのが天の理だ」
「そうよね」
「だから千里もな」
お父さんはまた私に言ってきました。
「そこまで深く考えることもないぞ」
「相手の人が親神様が引き合わせてくれるわ」
お母さんは私ににこりと笑って言います。
「だから自分のペースで信心してね」
「伏せ込んでいけばいいからな」
「千里は昔からまっすぐ過ぎるから」
「もっとゆっくり、穏やかに考えていった方がいいかもな」
「それで色々なものも見てね」
「世の中も勉強すればいい」
「そういうものなのかしら」
私は両親の言葉を聞いてまた考える顔になりました、どうも私は正面しか見て動いていないみたいです。
「おみちも」
「奥華だって色々な人がいるだろ」
「うん、凄くね」
婦人会の人達もそうですが私が今所属している学生会もそうです。先輩にも同級生にも後輩の子にも色々な人がいます。このことは女子青年会も少年会も同じです。奥華の場合特に青年会が個性派揃いだと言われています。
「それはね」
「そうだろ、そうした人達と一緒にいてな」
「勉強していくの」
「世の中自体をな」
「世の中を知らないとね」
お母さんが言うには。
「おみちも歩きにくいわよ」
「そうなるのね」
「学校やおみちだけじゃなくて」
「他の世界のこともなのね」
「勉強してね、他にはね」
お母さんがさらに言うにはです。
「アルバイトをすることもいいわよ」
「アルバイトね」
「世の中を知る為にはね」
天理高校は基本アルバイトは禁止されています、もっとも私は寮生なのでそうしたことは最初から出来ないですが。
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