192部分:第十七話 孔明、推理をするのことその一
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第十七話 孔明、推理をするのことその一
第十七話 孔明、推理をするのこと
紅葉が見える山でだ。関羽と張飛は甘寧の案内を受けながらだ。狩をしていた。
「ここにはそんなに獣が多いのだ?」
「左様」
甘寧が張飛の言葉に応えていた。今一行は山道の中を進んでいる。山の中は道がかなり広くあまり鬱蒼とはしていない。見事な木々が連なっていてもだ。
「その通りだ。この山はだ」
「そうなのか。それではだ」
関羽がその言葉に応える。見れば彼女も張飛も弓矢を身に着けている。
「今日の夕食を狩らせてもらうか」
「それはもう用意しているが」
甘寧は関羽のその言葉に顔を向けて告げた。
「既に」
「いや、それでもだ」
「ただ御馳走になるわけにはいかないのだ」
二人はこう甘寧の言葉に答える。
「だから。ここは」
「狩らせてもらうのだ」
そんな話をしているとだった。一行の目の前にかなり巨大な猪が出て来た。女としてはかなりの長身の関羽よりも遥かに肩の高さがある。
張飛はその猪を見てだ。甘寧に対して言うのだった。
「甘寧殿、あの猪は任せるのだ」
「貴殿が狩るというのか」
「鈴々は矛だけではないのだ」
それだけではないというのだ。
「紫苑程じゃないが弓も使えるのだ」
「そうなのか」
「愛紗もそうなのだ」
そしてそれは関羽もなのだという。
「もっとも蛇矛から衝撃波も出せるから普段はそれを使うことが多いのだ」
「衝撃波をか」
「そうなのだ。出そうと思えば何時でも出せるのだ」
そうだというのである。
「けれど弓も使えるのだ」
「ではここはか」
「そうだ、使うのだ」
こう言ってであった。弓をつがえてだ。猪のその額を一撃で射抜いてだ。それで終わらせたのだった。
「ふむ、見事だ」
「この通りなのだ」
「貴殿は弓も見事なのだな」
「何度も言うが愛紗はもっと見事なのだ。紫苑はさそれよりも遥かになのだ」
そんな話をしながらだった。そのうえでその猪を手に入れに行く。甘寧も一緒だ。そして関羽はふとここで立ち止まり左手を見た。
するとだ。下に宮殿が見えた。赤い屋根の左手に広い廊下がありそこにテーブルや椅子が置かれている。そうした場所であった。
「ふむ、あれは孫策殿の趣味かな」
開放的な彼女の性格を踏まえての考えだった。
「それであの場所で時々だな」
酒を楽しんでいると考えるのだった。
そのテーブルに今実際に孫策がいた。周瑜も一緒だ。
そのうえでだ。酒を飲みながらにこやかに話をするのだった。
「今のお客人達だけれど」
「関羽殿達ですね」
「ええ、そうね」
こう話すのだった。
「いい娘達ね」
「孫策様、それは腕だけではありませんね」
「そうよ。性格もい
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