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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
14.許された過去
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れた人たちの思いが無駄になったしまう。それだけはしてはいけない。
「ほら、何やってるんだ? 早く着替えてこいよ」
集也がそんなことを考えているとも知らずに和人は、着替えを催促する。
へいへい、と適当に返事を返し、和人の爺さんの剣道着と袴に着替えて防具もつける。自分のものも家に行けばあるとは思うが二年も着ていないのでだいぶボロボロになっているだろうし、多分、小さくなって着ることができない。
久しぶりの感覚。防具の重みがずっしりと伝わってくる。
「こんなに重かったっけ?」
竹刀とは違いかなりの重量感を感じる。向こうでは鎧系の装備をつけずに軽装備で戦っていたせいでかなり重たく感じる。そもそも、重量系の装備をあまり好まない集也にとってよくこんな重いものを着て動いていたと過去の自分に感心する。
「そういえば……」
前にSAOのβテスト開始くらいの時に半強制的に部活に連れてこられた集也がふざけ半分で部員の連中と防具なしで竹刀を使ってチャンバラをしていてそれが直葉に見つかって珍しく怒られたことがあった。それ以来、彼女を怒らせると怖いということがわかってもう怒らせないと心に決めたんだった。
それを思い出してまた笑みがこぼれる。
「いかんいかん」
大きく首を振って集也は道場へと向かった。和人家にある道場は小さいがしっかりとした道場で剣道の試合をやるぶんには申し分ない。
集也がくる頃には、直葉は正座の状態でいつでも試合を始められる状態で待っていた。
「遅いぞ、集也」
「悪い悪い。久しぶりでちょっと手間取った」
軽い感じで入っていくと直葉は、小さくため息をついた。しかしそれはどこか優しい表情だった。
集也も直葉の前に正座で座り、互いに一礼をし立ち上がる。
そして互いに竹刀を構える。直葉は中段の構え。対する集也は……
「その構えなんですか、集也さん?」
直葉が思わず吹き出す。
「ま、まぁ、俺流の構えかな。気にするな」
左手を少し前に突き出し、なにかを握るように軽く握る。右手で竹刀を握りその竹刀をやや後ろに引く。剣道にはない構え。
SAO時代のシュウの槍と片手剣を操る時の構えだ。
「この構えでも問題ないだろ、審判」
和人の方を見ると考えることなく大きく頷いた。
やはりわかってくれると思っていた。
「普通なら反則取られちゃうよ」
「わかってるよ。まぁ、今回は試しみたいなもんだから」
剣道全国クラスを相手にどこまでこのスタイルが通用するか。わずかな期待感を抱えながら集也は意識を研ぎ澄ましていく。
静寂が包んだ道場。朝方ということで鳥のなく音が妙に大きく聞こえた。
そして、和人の声が唐突に響いた。
「初め!!
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