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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
14.許された過去
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うかと思ってな」
「「はい?」」
あまりの突拍子も無い和人の発言に集也と直葉は目を丸くした。
「直接は俺もよくは知らなかったけど、スグが剣道部の先輩と仲がいいってのは知ってた。まさか集也だとは思わなかったけど」
そりゃそうだろうな。
学校では、和人とは話したこともなかったし仮に名前を聞いたとしても集也=シュウには結びつかない。何度も仮想世界では、βテストの時に顔を合わせて話しているというのにだ。
「それがどう、お前の突拍子も無い発言に繋がるんだよ。そもそも、別に直葉とは喧嘩したとかでもないし、仲を戻すにも……」
直葉の顔をチラッと見る。
同じようなことを言いたげな眼をしている。しかし、直ぐに眼を逸らされてしまう。
確かに今まで通りの関係に戻れるならその方がいいかもしれない。しかし、空白の二年間はお互いの関係性までもリセットするには十分すぎる期間だ。それが家族や親しい友人というならまだしも、集也と直葉は部活の先輩と後輩という間柄。元から対等な立場にいようとしても年の差というのは意外に大きな壁になる。
集也が問題はなくとも直葉は違う。彼女はとても真面目な性格だ。それがまた壁となってしまっている可能性も高い。
しかし、それを取っ払うことは集也には難しいことだ。
「そこでだ」
和人は二人に聞こえるように大きく手を叩く。
そして右手の親指を立てて後方をさす。そこにはちょうど、道場があったはずだ。
何を考えているか何となくだがわかってきた。
「久しぶりに試合、やってみないか」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
和人の突拍子も無い発言に戸惑いながらも集也と直葉は試合する流れになった。確かにこのままの状況では行けない気がしていたのも事実だ。それでも心のどこかで直葉を避けようとしている自分がいた。今は、彼女が知っている集也ではなくシュウという経験を得た存在。
あの世界で死の恐怖に必死で抗い絶対神たるゲームマスターへと勝負を挑んだ
彼
(
シュウ
)
はもういない。
今はただの何の力も持ち合わせていないただの集也でしかない。しかしそれでもあの世界で経験したことは紛れも無い
集也
(
シュウ
)
だ。
あれら全ての行為を肯定することはできない。だからあの頃と全く同じように接することは心のどこかでしてはならないと思ってしまっている。あの世界が集也に与えた影響は大きすぎた。
命の灯火が消える瞬間を目の前で何度も見た。それがこの手で奪われる瞬間も何度も何度も見てきた。
そんな集也が今まで通りの生活を送っていること自体がおかしなことなのだ。それでもこの状況に慣れるしかない。慣れていくしか方法がなかった。罪滅ぼしで死を選ぶことはできない。それでは、シュウに託してく
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