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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-6 勝利をこの手に
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くらとすみれの二人も、大神のフィニッシュに強く感動を覚え、彼をほめたたえた。
「敵の気配もありません。今の奴が最後でしょう。少尉、お見事でした」
マリアも淡々とした感じではあったが、素直に大神の活躍を称えてくれた。そんな大神は、謙虚に首を横に振る。
「いや、俺だけの力じゃない。君たちと、そして…」
彼は後ろを振り返ると、そこにはボロボロになりながらも共に戦ってくれた、赤い巨人の姿があった。自分たちを見下ろす形で、彼は自分たち花組の姿をじっと見つめていた。
「赤い巨人、聞いてくれ!」
赤い巨人…ジンに、光武のハッチから顔を出した大神からの声が轟いた。
「なぜ君が降魔戦争の頃から、この帝都を守ってくれているのかはわからない。
だが、俺もこの国の軍人だ!俺にも…俺たちにも守らせてくれ!花組の舞台を見に来てくれる人たちをはじめとした、多くの帝都の人たちが、また彼女たちの舞台を見て笑顔になれる日を迎えられるように!!」
この国で生まれ育った男だから、皆の幸せな日常こそが大神の強く願う望み。だから、こうして帝国華撃団・花組隊長という立場は天職以上だった。しかし赤い巨人が復活を果たし、当初はモギリをやらされたときの絶望感。それは国を守りたいと願う自分が必要とされていないと思わせるに十分だった。でも、自分たちは共に戦い、勝利した。逆に赤い巨人の危機を自分たちが救い、敵を打倒した。自分たちもまだ捨てた者じゃない。強く自信を抱ける結果を出せた。
だが赤い巨人自身はどう思っているのだろう。所詮小さな人間だからと邪魔に思っているのでは?そんな不安がよぎっていた。
すると、赤い巨人は大神を見て、静かに頷いた。
ジンは感じ取っていた、自分がそうであるように、純粋に誰かを守りたいという大神の心を。
「ジュワ!!」
感謝の言葉の代わりに頷いて見せ、ジンは頭上を見上げ、花組の前から飛び去って行った。
「行ってしまったか…」
どうやら、同じ対等の存在として認めてくれたのだろうか。負けてられないな、同じ平和を守る者として、精進せねば。大神は固く誓った。
「ともあれ、これで一件落着ですわね」
すみれが一息つきながら言うと、さくらも後に続いて口を開いた。
「そうだ!皆さん、せっかくですから、ちょっとやってみたいことがあるんです!」
「やってみたいこと?」
マリアは眼を丸くする。
「勝利の決めポーズですよ!あたしたち勝ったんだ!って、みんなで掴んだ勝利を一緒に喜べるように!」
「き、決めポーズだって?」
思わぬさくらの発言に、大神たちは困惑するが、すみれが真っ先にさくらに同調してきた。
「そうですね…さくらさんにしてはなかなか悪くないですわ。舞台は常に締めまで華麗にこなすもの。ならばこのような戦場という名の舞台でも最後の締めをしなければ、帝劇トップスタ
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